2007 Fiscal Year Annual Research Report
帯状疱疹後神経痛を抱えた在宅高齢者の実態とその影響
Project/Area Number |
18890152
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
進藤 ゆかり Sapporo City University, 看護学部, 助手 (70433141)
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Keywords | 看護学 / 帯状疱疹後神経痛 / 慢性疼痛 / 高齢者 / 痛み |
Research Abstract |
本研究の目的は、PHNの予防行動の普及啓発活動と高齢者の慢性疼痛によるうつ傾向や気力の低下等を予防するために、1)難治性のPHNを抱えた在宅高齢者の痛みの実態とその生活への影響、2)HZ、及びPHNに対する適切な初期治療の有無、治療経過と慢性疼痛の関連を明らかにすることである。平成18年12月〜平成20年3月までに協力を得られた麻酔科外来を有する病院に受診し、HZ発症後3ケ月以上経過した65歳以上のPHN患者9名から研究参加の同意を得られた。方法として、基本属性、帯状庖疹発症年月、部位別痛みの程度はVAS(0〜10)、老研式活動能力指標(13項目)、主観的健康感、Short Form 36を用いた質問紙調査を実施。さらに半構成的面接法を用いインタビューを行い、同意を得た上でテープ録音し、逐語録を作成し、質的に分析した。結果、PHN対象者7名は早期に近医の個人病院を受診したが、受けた初期治療に不満を感じており、2名が発症から初期治療にいたるまで1週間近く経過したために、PHNになってしまったと受けとめていた。麻酔科受診の理由は第三者からの勧めが大半であり、高齢者はその存在自体を知らず、適切なPHN治療の市民への啓蒙の必要性が示唆された。対象者は医療者から「この痛みは一生治らない」といわれ、当初、絶望感と怒りを感じていたが、時間の経過とともに、痛みを持ちながらなんとか以前のような日常生活を維持、あるいは復活させようと苦慮していた。VASは「悪いときの痛み」平均7.2±2.1、「よい時の痛み」平均3.3±3.0であり、年齢とそれぞれ相関がみられた。IADLは平均11.3点と高い傾向があったが、SF36各下位尺度得点は年齢層別0-100得点標準値と比較すると、8尺度全てが平均値を下回り、特に身体の痛みや日常役割機能(身体)が顕著に低く、PHNが与える高齢者への影響はQOLを著しく低下させていることが示唆された。
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