2006 Fiscal Year Annual Research Report
低浸透圧によるカルモデュリン依存性ENaC局在の分子メカニズムの解明
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18890157
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
徳田 深作 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (00433277)
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Keywords | ENaC / カルモデュリン / 低浸透圧 |
Research Abstract |
腎遠位尿細管におけるNa^+再吸収は血圧・体液量の調節に重要な役割を果たしている。このNa^+再吸収は、ホルモンなどの様々な因子によって調節されており、浸透圧も調節因子の1つである。これまでに我々は、低浸透圧によるNa^+再吸収刺激におけるepithelial Na^+ channel(ENaC)活性化のメカニズムについて研究を行ってきた。今回我々は、浸透圧変化の細胞間隙を経由したイオン輸送(paracellular ion transport)に対する影響について、検討を行った。平成18年度の研究結果により、血管側の低浸透圧は細胞間隙コンダクタンスのNa^+選択的増加を引き起こし、管腔側の低浸透圧は、イオン選択性のない細胞間隙コンダクタンス増加を引き起こすことを明らかとなった。さらに、静水圧を水の動きの駆動力として用いた実験により、細胞間隙コンダクタンスは、細胞間隙を通る水の動きによって調節されることを明らかとなった。これらの結果より、細胞間隙自身を通過する水・イオン等の物質の動きによって細胞間隙コンダクタンスが動的かつ精確に調節されていることが明らかとなった。これは、腎遠位尿細管におけるNa^+再吸収が、transcellular ion transportだけでなくparacellular ion transportによっても調節されていることを示すものである。現在これらの研究成果は論文投稿の準備中である。平成19年度の研究では、今回認められた細胞間隙コンダクタンスの調節メカニズムの解明を進める予定である。
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