2007 Fiscal Year Annual Research Report
移植小腸腸管神経再生における神経ペプチドの分子生物学的作用の解析
Project/Area Number |
18890166
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
樋口 恒司 Kyoto Prefectural University of Medicine, 附属病院, 専攻医 (00433251)
|
Keywords | 小腸移植 / 神経ペプチド / 神経再生 / 神経栄養因子 / ボンベシン |
Research Abstract |
平成18年度に引き続き、ラットを用いた異系同所性小腸移植モデル作成に取り組んだ。しかし、神経再生の評価、慢性拒絶反応の評価を行うための中期-長期生存が得られず、予定の研究実施期間中に目的とした研究結果が得られなかった。しかし、約1ヶ月の生存が得られたラットを対象に、抗c-kit抗体を用いたCajal細胞の検索を行ったところ、以下のような結果が得られた。 Cajal細胞は腸管神経と同様に消化管運動に不可欠な細胞である。Cajal細胞はc-kitを発現しており、抗c-kit抗体を用いて、神経ペプチド投与群と非投与群について検索し、比較検討した。Cajal細胞は腸管神経節細胞と同様に、FK506の影響を受け、その数が減少していた。神経ペプチド・ボンベシンを投与した群においては、細胞数が維持されていた。FK506は腸管神経節のみならず、Cajal細胞に対しても障害性の影響をもたらし、ボンベシンはその影響を軽減し、細胞を維持することができる、という結果を得た。この要旨は平成19年9月にアメリカ・サンタモニカで開催された第10回国際小腸移植シンポジウムにおいて採用され、口演発表した。また、この実験結果内容をまとめ、Journal of Pediatric Surgeryに投稿。査読の上、論文採用され、平成20年度中に掲載される予定である。 ラット異系同所性小腸移植については今後も継続して実験を行い、研究目的の神経再生についての評価を行う予定である。
|