2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己幹細胞を用いた人工バイオ骨膜による新規顎骨再生療法の開発
Project/Area Number |
18890171
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
寺田 征彦 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (40433403)
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Keywords | 幹細胞 / 骨再生 / 歯学 / 再生医学 / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
最近の目覚しい再生医学の発展は、幹細胞による自己組織再生誘導と分化した細胞を利用した人工臓器の完成が視野に入るようになり、比較的複雑でない組織に関しては、再生が可能になりつつある。しかし、ES細胞の利用は倫理的に問題があるため臨床応用までの道程は遠いと言わざるを得ない。そこで我々は本研究課題において、成体幹細胞の一種である骨髄由来の間葉系幹細胞を分離培養し、さらにPRP、患者自己血清を用いることで顎骨における骨欠損をアクティブに修復できるのではないかと着想し研究を開始した。我々はまず患者からの自己幹細胞(mesenchymal stem cell : MSC)の採取方法を確立するため、イヌを用いて検討を行った。我々はこれまで腸骨より骨髄液を採取してMSCの培養を行ってきたものの、歯科領域においては口腔内からの採取が望まれるため、下顎歯槽骨からの骨髄液の採取を試みた。下顎骨に穿孔し注射針で骨髄液を採取した場合、部位により採取量が左右されるものの、充分量(約1ml以上)の骨髄液が採取できれば、腸骨より分離したものより細胞数は少ないものの、MSCは問題なく培養できた。しかしながら、抜歯窩を利用して骨髄液を採取する場合は末梢血の混入を防ぐことが困難である上、充分量の骨髄液を採取することは困難であった。 次年度は上記の結果をふまえ、骨芽細胞に分化させた自己間葉系幹細胞をPLGA製吸収性膜上に播種し、人工バイオ骨膜を構築することにより、自己幹細胞による人工骨膜を利用した新しいアクティブ再生療法の開発を目指す予定である。
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