2006 Fiscal Year Annual Research Report
象牙芽細胞分化における未知機能タンパク質の同定と覆髄剤への応用に関する研究
Project/Area Number |
18890174
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
半田 慶介 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40433429)
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Keywords | 細胞分化 / 象牙質 / 細胞増殖因子 / RT-PCR |
Research Abstract |
本年度は象牙質分化の指標としてDSPの遺伝子発現を目標に各種の分化誘導実験を行った。マウス歯髄細胞にBMP2やbFGFを添加して数日間培養しtotal RNAを回収しDSP等の各種石灰化に関連する遺伝子の発現をRT-PCR法を用いて検出を試みた。まず始めに培養期間の検討を行い、5日間以上の培養を行うと細胞が培養皿から剥がれてしまうことが確認できた。培養期間を5日間と設定し、通常の培養皿とI型コラーゲンでコートされた培養皿を比較検討した。両者間ではALPase活性の染色を指標にしたところ、差異が認められなかっためで通常の培養皿でマウス歯髄細胞を培養することとした。培養後回収されたtotal RNAは通法に従ってcDNAへ変換され、PCRを行った。I型コラーゲンやオステオカルシン、オステオポンチンの発現はBMP2やbFGF添加によっても変化しなかったが、DSPの遺伝子発現の上昇が確認された。また石灰化促進のために各種分化誘導因子の検討を行った。前記のBMP2およびbFGF、さらにアスコルビン酸とデキサメサゾン、グリセロリン酸の骨分化誘導剤で分化誘導を試みた。骨分化誘導剤ではDSPの遺伝子発現上昇は確認できなかったが、BMP2とbFGFを組み合わせることで若干のDSPの発現上昇が確認された。このことからもDSP発現を指標にした場合の象牙質分化誘導はBMP2やbFGF単独の投与では不十分であり、TGFなどのその他の因子を組み合わせる必要があると考えられる。今後もタンパク質発現を検討するためには、増殖因子だけではなくハイドロキシアパタイト上で培養するなどの工夫が必要になってくると推測される。
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Research Products
(2 results)