2006 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌細胞の増殖、転移におけるSNIP1の役割
Project/Area Number |
18890182
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
藤井 万紀子 自治医科大学, 医学部, 講師 (70406031)
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Keywords | SNIP1 / c-Myo / レンチウィルス / 細胞増殖 / 腫瘍 |
Research Abstract |
c-Mycは癌原遺伝子のひとつであり、細胞周期の調節、分化、増殖、発生に重要な役割を果たすことがこれまでの多くの研究から明らかにされている分子である。これほど重要なタンパク質であるにも関わらず、c-Mycによる標的遺伝子の転写活性に関する役割、機構iは長い間不明であった。 我々は細胞増殖抑制タンパク質であるTGF-βのシグナルを細胞内で阻害する因子としてクローニングされたSmad Nuclear lnteracting protein(SNIP1)について、肺扁平上皮癌150例についてTissue Microarrayを用いて解析を行った。その結果、癌細胞におけるSNIP1の発現量増加と連動して、c-Mycの核内への蓄積が増加しているということがわかった。 また、sNIPIがc-Mycによる標的遺伝子の活性化を更に増強することから、このタンパク質がc-Mycの安定化と共に、何らかの機構により転写活性に関与することが示唆された。種々のdeletionconstractを使用して、転写活性及びChromatin lmmunoprecipitation(CHIP)assayを行った結果、c-Mycの安定化よりもむしろp300がc-Mycと結合し、標的遺伝子のプロモーター領域にp300とc-Mycを含む複合体がrecruitされることが、転写活性の増強に重要であるということがわかった。 更にSNIPIが、腫瘍形成や転移にどのような役割を果たすかを調べる為に、SNIPIの種々のdeletionmutantを含むレンチウィルス発現ベクターの構築を行った。現在これらのベクターを使用し、蛋白発現の確認を行っているところである。
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