2007 Fiscal Year Annual Research Report
出生前遺伝カウンセリングのクライエントの満足度と関連要因
Project/Area Number |
18890211
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
吉野 美紀子 (青木 美紀子) Musashino University, 看護学部, 助教 (30434187)
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Keywords | 遺伝カウンセリング / 出生前診断 |
Research Abstract |
初産年齢の高齢化や生殖技術の進歩,ヒトゲノムの解読などに伴い,出生前検査や遺伝子検査はより身近な領域になりつつある。遺伝医学関連学会が2003年に提案した「遺伝学的検査に関するガイドライン」には遺伝学的検査(染色体検査・遺伝生化学的検査・DNA検査)は十分な出生前遺伝カウンセリングを行った後に実施することが明記されている。出生前検査を受けるか否かを決めることはクライエントの心理的負担が大きいプロセスである。これまでの我が国の出生前遺伝カウンセリングに関連した研究は,特定の検査に焦点をあてた報告はあるが(安藤1994:青木,2006),クライエントの視点からカウンセリングについて述べた実証研究は少ない。一方,欧米では遺伝カウンセリングの効果(Cater,1971)やカウンセリングに対するクライエントのニード・期待(Skirton,2001)など多角的な視点から検討され続けている。本研究は,出生前遺伝カウンセリングを受けたクライエントの視点から,カウンセリングに期待していたこと,カウンセリング内容の理解程度およびカウンセリングを受けたことへの主観的評価を聴取し,出生前遺伝カウンセリングへの満足度と関連要因を明らかにすることを目的として,胎児の先天異常や自身の染色体異常を理由に出生前遺伝カウンセリングを受けた男女6名を対象に半構造化面接を実施した。その結果,満足感に関連する影響因子として,医療者が提示する選択肢,選択肢の提示方法,感情面への配慮等が挙げられた。成果物の発表として,本研究の一部を国際遺伝看護学会(20th Annual ISONG Conference/International Society of Nursing in Genetics)で発表した。ポスターセッションでは他の国々の遺伝力ウンセリングシステムや医療者の対応などについて幅広いディスカッションを行えた。本研究の結果ぱ今後,さらに検討を重ね,他の遺伝子診断(発症前診断や保因者検査等)のクライエントとの相違点や共通点を見出し,医療者の効果的な対応への一助とする。
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