2006 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病分子病態の解明:カイコモデル系によるアプローチ
Project/Area Number |
18890212
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
天竺桂 弘子 明治薬科大学, 薬学部, 助手 (80434190)
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Keywords | 昆虫 / アルツハイマー病 / マイクロアレイ / 脂質 / 脳・神経 / VLDLR |
Research Abstract |
本研究ではカイコモデル系を用いて神経系におけるVLDLRの機能解明を目指す。平成18年度はカイコにおける、ヒトVLDLRオルソログLpRの組織発現分布の解析およびVLDLR以外のアルツハイマー病に関連する遺伝子オルソログについて、KAIKOBASEで探索を行った。 RT・PCRによる解析で、5齢3日目の幼虫の中腸・絹糸腺・精巣・卵巣・脂肪体・マルピギー管・脳・血球におけるLpRの発現を検討した。その結果、全ての組織においてLpRが発現していることが明らかとなった。LpRに対する抗体をマウスを用いて作成し、5齢ステージ絹糸腺におけるLpRの発現を検討したところ、5齢生育ステージ全日において発現が認められた。 SCAN siteおよびPredict proteinによるBindingパートナー解析では、Calmodulin dependent kinase II(CaMKII)結合部位が存在していることが推定された。CaMKIIは、脳内の代表的なリン酸化酵素の1つであることから、LpRが脳において重要な機能を果たしていることが推定された。 さらに、VLDLR以外のアルツハイマー病に関連する遺伝子オルソログについて、 KAIKOBASEで探索を行ったところ、DJ-1,Neuron-specific enolase(NSE),14-3-3epsion, zeta, HSP-60オルソログを新たに発見した。 これらの遺伝子をカイコ脳cDNAよりクローニングし、現在RT-PCR等の手法を用い、部分的な機能解析を行っている。14-3-3epsionに関しては、連関解析から、変異体を発見した。今後、脳の免疫組織化学や、変異体を用いた解析を行い、これらの遺伝子の脳での機能を詳細に解析する予定である。
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Research Products
(6 results)