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2007 Fiscal Year Annual Research Report

破骨細胞によるトランスサイトーシスを介したグルタミン酸分泌の制御機構と意義の解明

Research Project

Project/Area Number 18890214
Research InstitutionMatsumoto Dental University

Principal Investigator

上原 俊介  Matsumoto Dental University, 歯学部, 助教 (90434480)

KeywordsVGLUT / 破骨細胞 / トランスサイトーシス / 開口放出 / 骨粗鬆症 / グルタミン酸シグナル / ATP / mGluR8
Research Abstract

本研究計画の背景は、小胞型グルタミン酸輸送体(Vesicular glutamate transporfer;VGLUT)1が破骨細胞のトランスサイトーシス小胞に発現していること、L-グルタミン酸(L-Glu)が破骨細胞からカルシウム依存的に分泌されること、L-Gluが破骨細胞に発現している代謝型グルタミン酸受容体mGluR8を介して細胞内cAMPを減少させることでトランスサイトーシスを抑制すること、の3点であり、課題は、1.L-Glu分泌を指標としたトランスサイトーシスの分子機構の解明、2.骨組織でのin vivoにおけるL-Gluシグナルの意義の解明、の2点である。平成19年度の科学研究費補助金により以下の知見を得た。
1.について。L-Glu分泌がカルシウム依存的であるため、カルシウム依存性プロテインキナーゼ(PKC)がトランスサイトーシスに関与するのではないかと考えた。PKC阻害剤は、L-Glu分泌を完全に阻害した。このことは、破骨細胞からのL-Glu分泌が、PKC依存的な経路により起こることを示唆している。SNARE複合体の関与については現在検討中である。また、トランスサイトーシス小胞の生化学的解析については、小胞を大量に単離する系を確立しようとしている段階である。
2.について。8週齢及び16週齢のVGLUT1遺伝子欠損マウスの骨形態計測を行った。8週齢では、野生型に比べてVGLUT1遺伝子欠損マウスで骨形成速度及び骨吸収速度が共に上昇しており、骨代謝回転の亢進が認められた。しかし、骨量には有意な差が無かった。16週齢では、骨形成速度及び骨形成速度に有意な差は認められなかった。骨量は、野生型に比べてVGLUT1遺伝子欠損マウスで10〜15%程度低下していた。卵巣摘出条件及び炎症性骨吸収誘導条件下でのL-Gluシグナルの意義については、時間が足りず検討できていない。

  • Research Products

    (6 results)

All 2008 2007

All Journal Article (3 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 破骨細胞のトランスサイトーシス小胞に局在するVGLUT12008

    • Author(s)
      上原俊介
    • Journal Title

      THE BONE 22

      Pages: 113-117

  • [Journal Article] 骨芽細胞と破骨細胞の相互作用2007

    • Author(s)
      上原俊介
    • Journal Title

      生体の科学 58

      Pages: 181-185

  • [Journal Article] 破骨細胞のトランスサイトーシスとグルタミン酸シグナル2007

    • Author(s)
      上原俊介
    • Journal Title

      THE BONE 21

      Pages: 747-750

  • [Presentation] VGLUT1 KO mice develop osteopenia due to an increase in osteoclasticbone resorption2007

    • Author(s)
      Shunsuke Uehara
    • Organizer
      29th annual meeting of ASBMR
    • Place of Presentation
      ホノルルコンベンションセンター
    • Year and Date
      2007-09-18
  • [Presentation] 破骨細胞におけるトランスサイトーシスとL-グルタミン酸シグナル2007

    • Author(s)
      上原俊介
    • Organizer
      第49回歯科基礎医学会学術集会
    • Place of Presentation
      北海道大学
    • Year and Date
      2007-08-29
  • [Presentation] VGLUT1遺伝子欠損マウスは骨吸収の亢進により骨量減少を呈する2007

    • Author(s)
      上原俊介
    • Organizer
      第25回日本骨代謝学会学術集会
    • Place of Presentation
      大阪国際会議場
    • Year and Date
      2007-07-19

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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