2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯周免疫におけるβ-defensin-2の関わりと自然免疫活性化に向けての解析
Project/Area Number |
18890222
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
田口 洋一郎 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (60434792)
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Keywords | 歯肉上皮細胞 / 歯周病原菌 / 抗菌タンパク / 炎症性メディエーター / 歯周初期免疫 |
Research Abstract |
我々は慢性歯周炎でよく検出されるP.gingivalisで刺激されたヒト歯肉上皮細胞(HGEC)からのhuman β-defensin-2(hBD-2)の経時的な発現およびその発現とHGECからの炎症性サイトカインの発現との関連について報告している。今回,P.gingivalisの濃度によってhBD-2の発現とIL-8との発現との関連について経時的に比較検討を行なった。なお,実験は大阪歯科大学医の倫理委員会の承認を得て行った。 HGECは,歯周外科治療時に採取した歯肉より分離し実験に供し,歯周病原菌は,サンスター(株)から供与されたP.gingivalis ATCC33277を用い,濃度勾配を施し調製し実験に供した。P gingivali刺激群および無刺激群として,1,3,6,24,48,72時間それぞれ培養し,検索した。細胞よりRT-PCR法にてhBD-2mRNAの発現について,また培養上清はELISA法にてIL-8の濃度を測定した。 P.gingivalis刺激群ではhBD-2mRNAの発現に関して増加傾向が認められ,無刺激群では認められず,P.gingivalis刺激群は無刺激群に比べて48,72時間で有意差が認められた。P.gingivalis刺激群ではhBD-2mRNAの発現に関して,濃度の相違による有意差は認められなかった。IL-8の発現について増加傾向が認められ,6時間以降で同様の有意差は認められたが,P.gingivalis激群において濃度依存的な有意差は認められなかった。 以上の結果,IL-8の発現とhBD-2の発現は相関し,P.gingivalisの存在によって,それらの発現は有意に高く,経時的にも増加したが,刺激濃度とは関係がなかった。従って,IL-8とhBD-2との発現はP.gingivalis感染の有無がキーポイントになっていることが示唆される。
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