2006 Fiscal Year Annual Research Report
有病者歯科診療支援における歯科衛生士への情報提供に関する研究
Project/Area Number |
18890232
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
中野 恵美子 静岡県立大学短期大学部, 講師 (80435297)
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Keywords | 歯科検診 / 有病者 / 歯科衛生士 / 情報 |
Research Abstract |
本研究の目的は、歯科診療所における有病者歯科診療に歯科衛生士が現在どのように関わっているか、どのような知識や情報を必要と考えているか、そしてどうすれば情報が伝わるのかを明らかにし、有病者歯科診療の安全性の向上のために歯科衛生士が共有すべき知識と情報提供の方法を検討することである。 本年度は、東京都医療機関案内サービス「ひまわり」で「歯科衛生士を配置」を検索条件として抽出した1,000施設の歯科診療所に勤務する歯科衛生士を対象に、有病者診療支援に関連したアンケート調査を実施した。アンケート調査には無記名式質問紙調査票を使用し、郵送で配付、同封した返送用封筒で回収した。調査項目は、問診表の有無、疾患別有病者対応の可否と対応の頻度、有病者歯科診療に関する情報の入手方法と必要と考える情報の種類等とした。有効回答率は24.3%であり、問診表は95%以上の施設で使用していた。対応頻度が高かったのは、「高血圧」「糖尿病」等の患者であった。歯科衛生士が「対応する際の情報が不足している」と考える疾患は、「HIV感染症」「精神疾患」が多く、「対応する際の情報が不足している」と考えた知識・情報は、「疾患の医学的基礎知識」「緊急時の対応」が多かった。有病者歯科診療に関する情報を得るために「今までに利用した」情報の入手方法は「医療・福祉関係の専門書」が最も多く、「今後利用したいと考える」情報の入手方法は「インターネットによる情報検索」が最も多かった。 平成19年度は、本年度の調査で情報提供が必要と考えられた項目と、効果的と考えられた情報提供の方法の妥当性を検討するため、情報と情報提供の方法についてのアンケート調査票を作成し、前年度に調査協力を依頼した歯科診療所の歯科衛生士を対象に調査を実施する。その結果から、入手の動機づけが必要な有病者歯科診療情報と、効果的な情報提供方法を検討する予定である。
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