2006 Fiscal Year Annual Research Report
網膜をモデルとした多能性前駆細胞におけるWntシグナルの役割の解明
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18890234
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
中桐 志保 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 発生生物学部門, 研究員 (30435565)
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Keywords | 発生・分化 / 神経科学 / DKK3 / ノックアウトマウス / エレクトロポレーション / 網膜 / 分泌型因子 |
Research Abstract |
発生初期に網膜で強い発現を示す分泌型因子DKK3のノックアウトマウスは、ヘテロノックアウトマウスまで完成した。現在は、ホモノックアウトマウスを作製中である。さらに、強制発現系としてエレクトロポレーションによる網膜への遺伝子導入法を条件検討の末、確立させた。今後はこのシステムを用いて、網膜にDKK3を一過性に発現させることで、組織学的手法によりノックアウトマウスの表現型と比較検討する。 また、DKK3の解析と並行して、網膜前駆細胞の視細胞への運命決定を司るOtx2の下流因子の候補としてマイクロアレイで抽出された分泌型因子と推測される遺伝子群の機能解析も同時に行っている。これらの因子はそれぞれ、セクションin situハイブリダイゼーションにより、網膜における発現パターンを明らかにした。さらに、エレクトロポレーションのシステムを用いて、これらの因子を一過性に網膜に発現させ、各分化マーカーによる免疫染色を行うことで、表現型の解析を行っている。新規の因子に関しては、ノーザンハイブリダイゼーションによって、各臓器における発現プロファイルを確認し、培養細胞での過剰発現系によって、実際に分泌型であるか否かを検証している。 他にもDKK3が発生初期の網膜に発現することを利用して、DKK3プロモーターの制御下で網膜の発生に寄与する可能性が高い分子を時期特異的に欠失させたコンディショナルノックアウトマウスを作製し、それらの分子の網膜細胞の分化への影響を組織学的方法によって検定しようとしている。
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