2006 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンキナーゼTxkによるマスト細胞のTh1/Th2応答の制御機構
Project/Area Number |
18890236
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大野 建州 独立行政法人理化学研究所, アレルギー遺伝子研究ユニット, 研究員 (80435635)
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Keywords | マスト細胞 / Txk / TLR4 / IL-12p40 |
Research Abstract |
マウス骨髄由来培養マスト細胞(BMMC)ヘレトロウィルスベクターを用いてTxkを強制発現し、コントロールのBMMCと比較してLPSを用いたTLR4刺激時のサイトカイン産生プロファイルの検討を行った。まずRT-PCRを用いて、mRNAレベルの発現解析を行い、Txkの強制発現によってTNF-αおよびIL-13の発現が増強されること、またIL-12p40の産生が抑制されることを確認した。次にこれらのサイトカイン産生をELISA法を用いてタンパク質レベルの発現解析を行い、mRNAレベルの発現と同様にTNF-αおよびIL-13は発現が増強され、IL-12p40は発現が抑制されることを確認した。さらに、このようなサイトカイン産生におけるTxkの作用点を考察するため、MyD88ノックアウト(KO)マウスおよびTRIF KOマウスをもちいてTNF-α、IL-13およびIL-12p40のTLR4シグナルにおける違いを検討した。それぞれのKOマウス由来のBMMCと野生型マウス由来のBMMCへLPS刺激を行い、ELISA法によってTNF-α、IL-13およびIL-12p40産生を測定し、MyD88 KO BMMCではTNF-α、IL-13およびIL-12p40の産生がみられないこと、TRIF KO BMMCではIL12p40の産生がみられないという結果を得た。この結果からBMMCではTNF-αおよびIL-13産生はMyD88依存的、IL-12p40はMyD88とTRIFの両方に依存的であると大きく分別され、サイトカインによって異なるTxk強制発現の影響はこのようなシグナルの違いに関与していると考えられた。
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