2006 Fiscal Year Annual Research Report
胃炎症発がんのメカニズムの解析と分子標的治療への可能性の検討
Project/Area Number |
18890244
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Research Institution | The Institute for Adult Diseases, Asahi Life Foundation |
Principal Investigator |
前田 愼 財団法人朝日生命成人病研究所, 教授 (40415956)
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Keywords | NF-κB / 炎症 / 発がん / 胃癌 / ヘリコバクターピロリ |
Research Abstract |
1.胃特異的IKKβノックアウトマウスの作成NF-κB活性化経路の重要なキナーゼIKKβ KOマウスは胎生致死である。そこで胃特異的KOマウスを作成するため、特異的プロモーターであるH+/K(+)-ATPaseの下流にCreリコンビナーゼを発現するマウス(HK-cre Tg)を作成した。また、Universtiy of Pennsylvaniaより供与されたFoxa3-cre Tgを用いてIKKβ-floxedマウスと交配し胃特異的IKKβ KOマウスを作成した。これらのマウスにおけるNF-κB活性化の抑制をマウスにLPSを投与することにより確認した。2.胃発癌モデルの作成マウスの炎症発癌モデルとして、ヘリコバクター属で、慢性胃炎から胃癌を惹起するヘリコバクターフェリス感染モデルを確立した。胃特異的Ha-Rasトランスジェニックマウスは潜在的Ha-RasトランスジェニックマウスをHK-cre Tgマウスと交配させ、現在腫瘍形成を観察している。胃化学発癌モデルであるN-nitrosoureaを用いて、上記で作成した胃特異的IKKβ KOマウスを用いてその腫瘍形成について観察中である。3.H.PによるNF-κB/IKKβ活性化経路の解析HPはIn vitroにおいてNF-κBを活性化する。その詳細なシグナル伝達系の検討をIn vitroの細胞系を用いて行う。上皮系細胞においては、LPSによつてNF-κBの活性化が見られないにもかかわらず、生菌によつて強い活性化が見られるため、特殊なシステムの関与が想定される。これまでにLPS/IL-1シグナル伝達経路の分子であるMyD88,TRAF6,TAK1およびIKKのNF-κBの活性化への関与を明らかとした。
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