2006 Fiscal Year Annual Research Report
純化した骨格筋幹細胞(筋衛星細胞)を用いた加齢に伴う筋再生能力低下機構の解明
Project/Area Number |
18890246
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
池本 円 国立長寿医療センター, (研究所)・再生再建医学研究部・細胞再生研究室員 (70435866)
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Keywords | 老化 / 骨格筋 / 幹細胞 / 筋衛星細胞 / マイクロアレイ / 移植 / 再生 |
Research Abstract |
加齢に伴う筋量の減少(サルコペニア)の原因には未だ不明な点が多いが、筋再生能力の低下が一因であると考えられている。成体筋組織の再生は、骨格筋特異的な組織幹細胞である筋衛星細胞が担っていることから、加齢に伴う筋再生能力の低下は、「筋衛星細胞自身の加齢変化」と「生体内環境要因(液性因子など)の加齢変化」による筋衛星細胞の機能低下によっておこると予想される。そこで、本研究では骨格筋から単離直後の純化した筋衛星細胞を用いて、筋衛星細胞自身とそれを取り巻く環境要因の加齢変化を明らかにする。そのために、今年度はまず、若齢マウス(2-3ヶ月齢)と老齢マウス(24-30ヶ月齢)を用いて、骨格筋から筋衛星細胞の単離を試みた。マウス筋衛星細胞特異的表面抗原を認識するモノクローナル抗体とFACSを用いて、若齢のみならず老齢マウスからも静止状態を維持したまま、高純度で筋衛星細胞を単離することに成功した。また、同様の方法により、加齢に伴う筋衛星細胞数の変動を明らかにした。さらに、筋衛星細胞の機能低下に関わる候補因子を探索するために、「若齢マウス由来の筋衛星細胞」と「老齢マウス由来の筋衛星細胞」を用いてDNAマイクロアレイ解析を行う予定であるが、これまで静止期筋衛星細胞中のRNA量は不明であった。そこで、正常マウス骨格筋より単離直後の静止期筋衛星細胞から抽出したRNAをAgilent 2100 bioanalyzerを用いて定量し、マイクロアレイ解析に必要な細胞数を概算した。この結果に基づき、若齢および老齢マウスから解析に必要な筋衛星細胞数を単離できたので、今後は、マイクロアレイや移植実験を行い、加齢に伴う筋衛星細胞の機能低下メカニズムを明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(1 results)