2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mathematical modeling and analysis on immunity in primary dengue infections
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18F18018
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
竹内 康博 青山学院大学, 理工学部, 教授 (20126783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SASMAL SOURAV 青山学院大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 数理モデル / 数理生物学 / デング熱感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
共同研究課題は「デング熱感染における免疫機構解明に向けた数理モデルの構築と解析」である。デング熱は地球温暖化に伴って、日本でも 感染例が報告される蚊を媒介とする深刻な感染症である。現時点において有効な治療方法は知られていない。デングウィルスは互いに交差免 疫を持たない共通抗原に基づく交差反応を示す4つの血清型が存在する。各々の血清型に対して人間は免疫記憶を持つことができるが、異な る血清型ウィルスに感染すると重篤な症状が惹起され死に至ることが多い。最初の感染に対する免疫反応に関して、SASMAL氏と私は基本数理 モデルを構築・解析しその疫学的機序を明らかにした。 本年度の共同研究は別の血清型ウィルスに感染した場合に重篤症状になる理由を基本モデルを拡張して明らかにすることを目的とする。 本研究は数理科学者(連携研究者:稲葉寿東大教授・中岡慎二北大講師)と医学研究者(西浦博北大教授)との緊密な連携のもとに行われた。デングウィルス感染と免疫反応の解明に向け本質をとらえた数理モデル構築・解析により、医学上の問題解決を目指すとともに、時間遅 れを有する非線形微分方程式の解析手段の構築を目指した。 研究成果は学術論文T-cell mediated adaptive immunity and antibody-dependent enhancement in secondary dengue infection, (Sourav Kumar Sasmal, Yasuhiro Takeuchi, Shinji Nakaoka)として, Journal of Theoretical Biology, 470,7, June 2019, 50-63で発表される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的であったデング熱2次感染における重篤化に関する構造解析は,本年度の研究により,ほぼ解決できた.3次以上のデング熱感染に関しては,医学・疫学研究の進展を待って,研究を遂行する予定である.そのために,医学文献の調査と医学者との議論を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
上記現在までの進捗状況で示した通り,3次以上のデング熱感染に関する疫学的な知見を収集し(特に,2次感染までにおける血清型ウィルスと異なる血清型ウィルスと人間の免疫機構との関連),適切な数理モデルを構築し,定性的な数理解析と数値シミュレーションを駆使して,本研究課題を推進する.
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Research Products
(3 results)