2018 Fiscal Year Annual Research Report
Survey of miRNA molecules involved in responses to elevated CO2 of rice plants
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18F18083
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
徳富 光恵 (宮尾光恵) 東北大学, 農学研究科, 教授 (70181980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM YONGHYUN 東北大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 高CO2環境 / 葉の発達 / シグナル伝達 / miRNA / イネ |
Outline of Annual Research Achievements |
1)高CO2環境を伝達する長距離シグナルの受け手であるP4葉(発達中の葉;完全展開葉=P6)のSmall RNAseq解析を行い、高CO2で存在量が2倍以上変動するmiRNAを18種類同定した。そのうち17種類の存在量をRT-qPCRで確認し、葉の発達(分裂と伸長)に関与するmiR396ファミリー5種類の存在量が2倍以上増大することがわかった。miR396の前駆体のP4葉での存在量をRT-qPCRで調べたところ、5種類のうち4種類の前駆体の存在量も高CO2処理で増大することが明らかにされた。 2)既に取得済みのマイクロアレーデータを用い、miR396のターゲットと予想される転写因子Growth Regulating Factor(GRF)ファミリーの発現量を調べた。10種類のGRF遺伝子のうち、発現量が有意に低下した4種類の発現をRT-qPCR法で調べ、高CO2処理によってGRF3, 6, 10の発現量が1/3から1/2に低下することを確認した。 3)高CO2処理でP4葉での存在量が増大するmiR396の添加実験を行った。完全展開葉葉身先端からカスタム合成したmir396e(ssDNA)を吸引させると、高CO2処理同様、葉面積が縮小することを明らかにした。 1)~3)の結果は、高CO2処理がmiR396の存在量を増大させ、GRFの発現抑制ひいては葉面積の縮小を引き起こす可能性を示している。 4)P4葉のSmall RNAseq解析により、上述の18種類以外にも、高CO2で存在量が変動するmiRNAを21種類見いだした。 5)完全展開葉葉身の先端から糖を吸引させると、高CO2同様の応答が引き起こされる(新たに展開する葉の面積が縮小)。高CO2処理とスクロース添加で発現変動を受けるmiRNAの比較解析に向け、サンプリングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、30年度中にシグナルの送り手(P6葉)とシグナルの受け手(P4葉)両方のSmall RNAseq解析を行う予定であった。しかし、最初に行ったP4葉のSmall RNAseq解析で興味深いmiRNAが数多く同定されたため、P4葉の解析を中心に研究を進めた。特に、葉の発達(分裂と伸長)に関与するmiR396について詳細な解析を行い、ターゲットと予想されるGRF遺伝子のP4葉での発現が高CO2で抑制されることを見いだした。また、P4葉ではmiR396の成熟型のみでなく、前駆体の存在量も増大することがわかった。miR396がシグナルとして機能しうるか検討するため、miR396の成熟型と前駆体のP6葉での存在量の解析(RT-qPCR解析)を進めている。 以上のように、P6葉のSmall RNAseq解析には至らなかったものの、miR396に関しては当初計画以上に研究が進展していることから、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
miR396の解析を継続して進めるとともに、P6葉のSmall RNAseq解析を行う。 1)miR396の解析:高CO2でP4葉での存在量が2倍以上に増大する5種類のmiR396の解析を行う。RT-qPCR解析により、P6葉でのmiR396の成熟型と前駆体の存在量を調べる。引き続き、シグナル伝達経路に沿って、すなわち、P6葉の葉身、P6葉の葉鞘上部・下部、および、発達中のP4葉についても解析を行い、miR396が高CO2環境を伝達するシグナルとして機能するか検討する。また、前駆体がシグナルとして働く可能性が示された場合、前駆体の添加実験によりその可能性を検証する。 2)P6葉のSmall RNAseq解析:高CO2処理でP6葉のmiRNA存在量がどのように変化するか、Small RNAseq解析で網羅的に調べる。P4葉のSmall RNAseq解析で、上述の18種類以外にも、高CO2で存在量が変動するmiRNAを21種類見いだしている。P4葉とP6葉のmiRNA存在量を比較することにより、シグナルとして機能しうるmiRNAを絞り込む。引き続き、シグナル候補miRNAについて、上記1)同様、シグナル伝達経路に沿って存在量を調べるとともに、添加実験を行い、シグナルとして機能するか検討する。 3)高CO2処理と糖添加との比較解析:取得済みのサンプルを用い、スクロース添加でP6葉とP4葉のmiRNAの存在量がどのように変化するか調べ、高CO2処理と比較解析を行う。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Nutrient uptake-based phenomics and transcriptomic analyses using diverse rice accessions2018
Author(s)
Ueda, Y., Kadota, K., Tezuka, A., Nagano, A.J., Kadowaki, T., Miyao, M. and Yanagisawa, S.
Organizer
16th International Symposium on Rice Functional Genomics
Int'l Joint Research
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