2018 Fiscal Year Annual Research Report
TOR複合体の構成因子の機能解析から植物細胞の増殖制御を紐解く
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18F18084
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
今村 壮輔 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (70548122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHOKSHI KAUMEEL 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 窒素代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物にとって、窒素はその生長を決定付ける重要な栄養元素である。それにもかかわらず、植物の窒素代謝制御については不明な点が多く残されている。一方、酵母と動物においては窒素代謝制御についての詳細が調べられている。その制御における窒素量の感知とシグナル伝達の中心因子は、TORキナーゼ複合体である。植物のTORキナーゼの機能については殆ど不明であり、TOR複合体に関して言えば 、酵母や動物の相同タンパク質が植物では見出されないことから、"植物特異的"な複合体構成因子が想定される。 本研究では、TOR複合体構成因子の情報を手がかりに、窒素などの栄養源を感知するシグ ナル受容因子や、TORの活性を調節する因子を同定する。すなわち、TOR複合体構成因子の機能解析を通じて、植物細胞の増殖制御を理解することを本研究の目的としている。 今年度は、TOR複合体を精製するための実験基盤をまず整えた。始めに、TORの複合体であることがゲノム比較情報から確認できる、RAPTORとLST8にタグを付加した株の構築を行なった。酵母などでProteinA融合RAPTORもしくはLST8を用いることでTOR複合体の精製に成功していることから、まずはじめにProteinA融合タンパク質として発現する株の構築を行った。目的のコンストラクトがゲノム上に挿入されていることは確認されたが、タンパク質の発現を確認することはできなかった。ProteinAの存在が悪影響していると考え、FLAGもしくはMycタグ融合タンパク質として発現する株の構築を目指した。現在までに、FLAGもしくはMycタグ融合タンパク質として発現する株の取得に成功し、RAPTORもしくはLST8複合体の精製に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複合体精製のための株の取得や免疫沈降実験に成功しており、概ね計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
複合体を窒素源の有無などの各種生理条件から精製し、複合体構成成分の同定とその役割を明らかにする。 また、複合体の細胞内局在を解析することで、各因子の機能解明における基盤情報を合わせて取得する。
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Research Products
(6 results)