2018 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性希少疾患の病態解析から明らかにするリソソーム機能異常の分子基盤
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18F18094
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
大友 孝信 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (20742589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VASILEV FILIPP 川崎医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | ライソゾーム / エンドサイトーシス / オートファジー / ムコ多糖症 |
Outline of Annual Research Achievements |
外国人特別研究員の出身であるロシア連邦サハ共和国(ヤクーツク周辺)にて発生する原因不明の疾患に対して、全エクソーム解析で同定された原因遺伝子の機能解析を行うことを目的として研究を行った。当該遺伝子VPS33AはHOPS複合体やCORVET複合体を形成したりSTX17と結合することが分かっており、細胞内小胞輸送に働いている。今回患者で認められた本遺伝子の特異的な変異による効果はまだ分かっていないが、患者の表現型としてはライソゾーム病のひとつであるムコ多糖症に類似しており、実際に血中でムコ多糖が上昇していることが報告されている。そこで、本遺伝子のドメイン特異的な様々な変異体セルラインを構築し機能を比較するアプローチを行った。実際、CRISPR/Cas9でHeLa細胞で変異導入を行い、タンパク質が全く作られない(フレームシフト変異)変異体、タンパク質が残っているドメイン特異的なノンフレームシフト変異体を得ることが出来た。また、局在同定用や免疫沈降用のGFPやタグを融合させた野生型/ドメイン別変異型タンパク質の発現系、ライソゾーム機能の測定系を立ち上げた。オートファジーの評価では、ヌル変異細胞では予想された通り完全にオートファジーが停止していたが、野生型の発現でも完全には機能がレスキューできなかったため、ウイルスベクターを用いて安定的に変異タンパク質を発現させる系を検討している。また、野生型/ドメイン別変異型タンパク質の発現実験では、タンパク質の安定性が低下するものとしないものがあり、複合体形成の有無との関連性を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、本年度で実験に用いるマテリアルの作製と測定系が立ち上がり、外国人特別研究員も実験に習熟した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って来年度も研究を遂行する予定であるが、患者細胞の取得が難しい可能性を考え、セルラインに患者の遺伝子変異を入れたノックイン細胞を準備する実験をバックアップで進める。
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