2018 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Study of Operations Management Practices and Sustainability between Vietnam and Japan
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18F18310
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松井 美樹 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (70173789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGUYEN MINH 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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Keywords | サプライチェーン・マネジメント / 品質マネジメント / 持続可能性 / 質問票調査 / 比較研究 / ベトナム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度については約4ヶ月半ほどの期間で以下の研究活動を実施した。 まず、関連書籍や学術論文等を参照しつつ、サプライチェーン・マネジメントや品質マネジメント、持続可能性等の最新の研究動向を掴み、様々なサプライチェーンの実践活動や品質マネジメントの取り組みが経済的持続可能性、環境的持続可能性、社会的持続可能性に及ぼす影響に関する分析枠組みと検証すべき仮説について再検討を加えた。その際、日本国内において持続可能性の問題に対して先進的な取り組みをしているいくつかの企業の事例も参考にした。 次に、分析枠組みで示された主要な変数ないし構成概念を的確に測定するための尺度の妥当性や信頼性を慎重に検討し、質問項目を精査して英語版と日本語版、ベトナム語版の質問調査票を設計し、特に日本語版を用いて事前テストを実施して質問項目を見直した。ここまでの理論的研究成果を論文として取り纏めて、次年度に開催される国際会議や国際学会に論文を投稿し、国内の研究集会でも発表を予定している。 これらの準備が整った後、日本語版とベトナム語版の質問調査票を用いて、日本企業とベトナム企業に調査協力の依頼を行い、データ収集を開始した。質問調査票の郵送だけでなく、オンライン・サーベイ等も用いて、両国においてそれぞれ100社程度の企業から回答を得ることを目標としている。ベトナムでは目標を上回る企業からの回答を得ることができたので、日本の回答数を増加すべく日本企業に対する働きかけを強めている。集められたデータを適宜コーディングし、今後の分析の基盤となるデータベースを構築中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サプライチェーンの実践活動や品質マネジメントの取り組みが経済的持続可能性、環境的持続可能性、社会的持続可能性に及ぼす影響に関する分析枠組みと仮説を構築し、質問調査票の設計を完了させた。特に、英語から日本語に質問項目を翻訳するのは容易ではないが、比較的短時間で集中的に翻訳に当たり、データ収集を開始することができた。2019年4月までにベトナムでは100社を超える企業からの協力を得ることができた。両国で集められたデータを適宜コーディングし、データベースを構築中である。 また、これまでの成果を取り纏め、米国のProduction and Operations Management Societyや欧州のEuropean Operations Management Associationなどオペレーションズ・マネジメント領域では最高峰の学会の2019年年次大会に論文やアブストラクトを投稿し、研究発表の機会が与えられている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、日本企業からのデータ収集に注力し、分析基盤となるデータベースを構築する。 その後、いくつかの回答企業を選んで調査対象事業所等を訪問し、調査結果をフィードバックして、その結果を巡って経営者や管理者等と意見交換を行う。また、現場の実地見学を実施して、データの裏に潜む重要な潜在要因の発見に努める。 次の日本企業における持続可能性の推進要因に関する分析を行い、論文に纏める。例えば、日本におけるグリーン・サプライチェーン・マネジメントの実践活動とその推進要因、あるいはそれらの実践活動が持続可能性に及ぼす影響について実証分析を展開する。また、日本企業とベトナム企業のデータを用いて、持続可能性の推進要因に関する比較分析を行い、論文に纏める。例えば、サプライチェーン・マネジメントの実践活動や品質マネジメントの取り組みが経済的、環境的、社会的持続可能性に及ぼす影響が両国間でどのように異なるかを明らかにする。纏められた論文やそのアブストラクトをAcademy of Management, Production and Operations Management Society, European Operations Management Association等の学会の年次大会や国際会議に投稿し、研究発表を行い、参加者から得られたコメントやレビューを踏まえて、論文を改訂し、学術雑誌に投稿する。
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