2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of biomolecular motor based autonomous molecular-robots and its potential application
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18F18323
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
角五 彰 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (10374224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KEYA JAKIA 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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Keywords | 分子ロボット / 集団運動 / 物質輸送 / 時空間制御 / アゾベンゼン / DNA / モータータンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
群ロボットは、リーダー不在でも自発的に環境適応し群れの形を変えるほか、仕事の分担や、不具合の補完など、単体のロボットにはなしえない複雑な仕事を効率よくこなすことができる。このような群ロボットは、医療や災害の現場での応用が期待され、現在では小型化に向けた競争が激しくなっている。申請者らは、最近、従来の機械式の群ロボットではなく、化学的に分子部品を組み立てることで、世界最小の群ロボット(分子ロボット)を開発することに成功した。 本研究では、申請者らが開発した分子ロボットの発展を目指し、光信号により自律的に物質輸送可能な分子システムを構築することを目的としてきた。 2018年度は、本研究課題遂行に向け、“光信号による物質輸送可能な分子システムの基本設計を構築”することに成功した。物質輸送可能な分子システムの基盤としては、申請者らが開発してきた駆動系、知能・制御系、センサー系の3要素を有する分子ロボットを用いた。分子ロボットを構成する分子部品としては、駆動系にはモータータンパク質を、知能・制御系には核酸(DNA)の組み合わせを用いている。さらに光信号に対する応答性を付与するため、感光性分子(アゾベンゼン)をDNAと複合化することでセンサー系を組み込んだ。このセンサー系の付与により光信号により知能・制御系のオン(可視光)/オフ(紫外光)制御が可能となった。また物質輸送に必要とされる分子認識・補足機能は、知能・制御系に用いられるDNAとの相互作用を利用した。物質輸送の実現可能性に関しては、可視光照射下で相補鎖DNAを提示させたラテックス微粒子が輸送される様子を実観察で評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに研究が進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度には、 “物質輸送を時空間制御するシステムの構築“を目指す。具体的には光照射システムの作製およびフォトマスクの作製を行う。光照射システムに必要となる光源には水銀ランプ(ニコン製)を用い、光スイッチングには可視光/紫外光用のフィルターブロックを用いるとともに、ステッピングモーター式ホイール(ソーラボ製)で電動制御することで物質輸送の時間的な制御を実現する。さらにフォトマスクを、作成することで物質輸送の空間的な制御を実現する。また、申請者らが独自開発してきた窒素チャンバーシステム(現有装置)に、物質輸送に必要となる全ての観察系を設置させることで、紫外照射による分子部品の光ダメージを排除する。以上の時空間制御システムの作動確認を行うとともにチャンバー内での分子システムの稼働確認を終える予定である。
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Research Products
(2 results)