2018 Fiscal Year Annual Research Report
An algebro-combinatorial approach to Kloosterman sums
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18F18326
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
中筋 麻貴 上智大学, 理工学部, 准教授 (30609871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIRAL EREN 上智大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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Keywords | Kloosterman和 / Bruhat分解 / Bott-Samelson分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
1926年に導入された指標和Kloosterman和は,群G=SL(2,Z)のBruhat分解と関係するKloosterman集合上に定義されることが報告されている.ここで,Bruhat分解は,群Gと関係するワイル群Wとボレル部分群Bを用いてG=BWBと表される分解である.D.Bump, S.Friedberg, D.Goldfeld(1988)は,Kloosterman和の高次元への拡張として,SL(3,Z)に対するKloosterman集合上にKloosterman和を定義した.また,Kloosterman集合をさらに細かく分解し,細分化した集合上にKloosterman和を定義することで,Kloosterman和の分解が可能であることを報告した.この結果を利用してV.Blomer, J.Buttcane, P.Maga等を中心に,SL(3,Z)におけるKloosterman和の研究が進展した. 本研究では,D.Bump, S.Friedberg, D.Goldfeld(1988)の結果について分析し,Kloosterman集合を先行研究の分解とは異なる分解をすることにより,より深い性質について考察することを目的とした.具体的には,G=SL(2,Z)において,Kloosterman集合の分解を,シューベルトカルキュラス理論で用いられるBott-Samelson分解を元に考察した.実際,直接Bott-Samelson分解を使用することはできないことが明らかになったが,ワイル群の最長元に対するBruhat分解について,Bott-Samelson分解に修正を加えることにより,Koosterman集合に新たな分解を与えることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,Kloosterman和をMetaplectic群上に拡張した「Metaplectic Klooterman和」を定義し,対応するLie群のルート系に関する代数的および組合せ論的構造を用いて,これを解析してゆくことである.その第一段階として,従来のSL(2,Z)において,Kloosterman和が定義されるKloosterman集合を組合せ論的構造で解析する必要があった.これに対し,高ランクへの拡張が期待できる形の分解を与えることができた.これより,次年度以降の研究に進むにあたり,順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,本年度の結果をSL(3,Z)に拡張する.計算段階の確認には,計算数式処理ソフトSageを用いて確認を行う.次に,Kloosterman集合の分解の成果をもとに,分解したより小さい集合上にKloosterman和を定義し,それによって得られるKloosterman和の性質について研究を進める.また,SL(3,Z)のKloosterman集合の細分化に対するD.Bump, S.Friedberg, D.Goldfeldによる先行研究との比較を行う.さらに,Metaplectic群への拡張について考察する.
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