2019 Fiscal Year Annual Research Report
Inovation of topological materials and electronic properies
Project/Area Number |
18F18328
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷垣 勝己 東北大学, 材料科学高等研究所, 教授 (60305612)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAN XINGCHEN 東北大学, 材料科学高等研究所, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
|
Keywords | トポロジカル絶縁体 / 異常ホール効果 / 強磁性薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
トポロジカル絶縁体における異常ホール効果の観測を目的として、下記の研究を遂行した。 (1)2次元強磁性絶縁体Cr2Ge2Te6(CGT)と3次元トポロジカル絶縁体のヘテロ界面をファンデアワールス転写技術を用いて作製した。電気輸送を測定したところ、異常ホール効果は観測されなかったが、シュブニコフードハース振動は観測された。(2)自然格子型磁性トポロジカル絶縁体ヘテロ構造物質系Mn-Bi-Teの合成を試みた。反強磁性相から強磁性相への転移がMnBi2Te4 からMnBi4Teへ組性変化させる事により観測された。この物質は、現在のところ、均一性が悪くBi-Mnの逆サイト欠陥の制御が今後の鍵を握ると考えている。(3)谷垣グループ内の共同研究としてCr2Ge2Te6(CGT)単結晶薄膜とトポロジカル絶縁体であるBi-Sb-Te-Se(BSTS)単結晶ヘテロ接合における異常ホール効果の研究を進めた。電気輸送特性を測定した結果、異常ホール効果と考えられる信号が観測された。(4) Yong Chenグループに在籍するGhuanghui Chenと共同で、数層のMnBi2Te4薄膜の実験を進めた。その結果、大きな異常ホール効果が観測された。(5)Yong Chenグループの井土氏と共同で、Cr2Ge2Te6-NiOヘテロ界面構造の研究を遂行した。界面制御に伴い、強磁性転移に関係するキューリ温度の上昇と垂直磁化強磁性に対する品質の向上が観測された。2次元強磁性薄膜Cr2Ge2Te6の特性がヘテロ界面構造により人工的に制御できる可能性を示すものである。研究結果は、Appl. Phys. Lett. 115, 232403 (2019)に出版された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トポロジカル絶縁体における異常ホール効果の観測を目的として、トポロジカル絶縁体における異常ホール効果の観測を目的として、下記の研究を遂行した。 (1)2次元強磁性絶縁体Cr2Ge2Te6(CGT)と3次元トポロジカル絶縁体のヘテロ界面、(2)自然格子型磁性トポロジカル絶縁体ヘテロ構造物質系Mn-Bi-Te、(3)Cr2Ge2Te6(CGT)単結晶薄膜とトポロジカル絶縁体であるBi-Sb-Te-Se(BSTS)単結晶ヘテロ接合、(4)極薄膜MnBi2Te4、(5)Cr2Ge2Te6-NiOヘテロ界面構造の研究を遂行して、順調に成果が得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
トポロジカル絶縁体における異常ホール効果の観測を目的に研究を推進している。アプローチ方法は、(1)強磁性薄膜とトポロジカル絶縁体のヘテロ界面における近接効果、(2)単結晶物質の欠陥2次元平面における特異電子状態、の二つである。研究は順調の進んでいるので、現在の研究方向で進める予定である。
|