2019 Fiscal Year Annual Research Report
化学的分析に基づいたコンクリート構造物の補修材付着性状のモデル化と構造性能評価
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18F18348
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長井 宏平 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (00451790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG YI 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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Keywords | コンクリート / 微細構造解析 / アルカリ骨材反応 / 遅れエトリンガイト生成 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルカリ骨材反応(ASR)と遅れエトリンガイト生成(DEF)による膨張に伴うコンクリートのひび割れ発生と、その後の強度低下についての検討を、三次元微細構造解析を用いて詳細に行った。解析ではモルタルと骨材の二層モデルを用い、ASRでは骨材の表面を膨張させ、DEFではモルタル部を膨張させる。膨張により内部に応力と微細ひび割れが発生するとともに、骨材や境界条件により拘束応力が発生し、ひび割れ進展が妨げられる複雑な挙動が解析から観察された。これは実験では直接観察ができないため、有用な情報となった。また、表面ひび割れ性状を実験と同様に再現することができた。膨張でひび割れを生じさせたうえで圧縮破壊の解析を行い残存圧縮強度の低下度を膨張量に応じて確認した。内部に既に生じたひび割れが圧縮載荷により一部は閉じることや、内部の複雑な応力変化と破壊までのひび割れ進展が解析され、強度低下率が実験と同様に再現された。これらの成果を纏め、国際誌に発表した。 また、ASRとDFEが同時に起きた場合のひび割れ進展について検討を行い継続している。ASRとDFEが順にもしくは同時に生じることは実験から指摘はされているが、計測が困難なために明らかになっていない。数値解析では、ASRとDEFの膨張の順番や量を制御できるので、理想状態の挙動として現象理解に有用と考えている。膨張後の圧縮強度の低下についても検討した。ASRとDEFが同時に生じた場合には、その割合によって同じ膨張量でも圧縮強度の低下率が異なることが示された。この成果を纏め、国際誌に投稿をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ASRとDEFの膨張挙動に関する微細構造解析について、想定以上の成果が順調にあがったために研究時間が使われた。 一方、補強材のモデル化にプログラム上の困難があり、実質的な成果があがらなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
補強材のモデル化について、可能な限り継続する。 研究期間が残り半年のため、2年間全体の纏めを行う予定である。
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Research Products
(3 results)