2019 Fiscal Year Annual Research Report
Magnetic Fractionation of Magnetic Nanoparticles for Optimal Performance in Biomedical applications
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18F18349
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 敬 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (30380588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FARAG AHMED 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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Keywords | 磁性ナノ粒子 / 磁気分画 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁性ナノ粒子を用いた医療バイオ応用に関する研究が盛んに行われている。その中に、癌などの疾病領域を高感度・高分解能に検出する磁気粒子イメージング、および磁性ナノ粒子のヒステリシス損による熱により、癌細胞のみを選択的に死滅させる磁気的ハイパーサーミア、磁性ナノ粒子の磁化特性の温度依存性を利用した体内温度推定などがある。これらの実現のためには、高検出感度化、選択的に癌細胞だけを死滅させるための高効率化、温度推定の高感度化が必要不可欠である。 本年度は、世界で唯一MRIの造影剤として体内使用が認可されている磁気ナノ粒子であるResovistの他にもともと物理粒径が均一である磁気ナノ粒子サンプルの磁気分画実験を行った。様々な磁気ナノ粒子サンプルに対し、分画磁界を変えて分画することで、サンプルと得られる分画磁気ナノ粒子サンプルの関係を明らかにした。 また、磁性ナノ粒子を医療応用する場合、磁性ナノ粒子の周辺温度や、粘度によって磁性ナノ粒子の磁化特性が一般的には変化することが知られている。これらのパラメータが磁化特性に及ぼす影響を定量的に調べることは応用上非常に重要になる。本年度は、磁気分画を行った磁性ナノ粒子サンプルを用いて磁化特性の粘度依存性についての研究を行い、交流励起磁界の強度や周波数による磁性ナノ粒子の磁化特性の粘度依存性を定量的に明らかにした。これは磁性ナノ粒子を用いた医療バイオ応用の性能改善および定量化するうえで重要な結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
磁気分画手法を用いて高性能な磁気ナノ粒子サンプルの安定的な抽出を実現することができた。 また、交流励起磁界の強度や周波数による磁性ナノ粒子の磁化特性の粘度依存性を定量的に明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果をもとに、磁気粒子イメージング、磁気的ハイパーサーミア、温度推定それぞれに最適な磁性ナノ粒子サンプル作製(分離)の、分画条件を明らかにする。次に、それぞれの応用に最適化された磁性ナノ粒子サンプルを用いた実証実験を行い、本手法の有効性を実証する。 磁気粒子イメージングでは、既存の磁気粒子イメージングシステムを用いて実証実験を行い、分画を行っていないオリジナルな磁性ナノ粒子サンプルに対し、数倍程度の高感度化を目指す。 磁気的ハイパーサーミアでは、既存のヒステリシス損評価装置により、同様に数倍程度のヒステリシス損の増加を目指す。 温度推定では、磁気分画サンプルを用いた高感度温度推定法を提案する。 このために必要な、磁性ナノ粒子、電子部品などを購入予定である。
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