2019 Fiscal Year Annual Research Report
スーパーグラフェン共有結合ネットワーク構造の能動的作製への挑戦
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18F18356
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
燈明 泰成 東北大学, 工学研究科, 教授 (50374955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CUI JIANLEI 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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Keywords | ナノ炭素材料 / カーボンナノチューブ / グラフェン / 共有結合ネットワーク / 切断 / 操作 / 溶接 / 六員環状 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.分子動力学法による切断過程のシミュレーション 分子動力学(MD)シミュレーションにより、カーボンナノチューブ(CNT)の自己集合法による操作について理論的に検討した。CNT表面の構造変化を調査するため、界面活性剤を用いた非共有結合修飾を適用した。さまざまな種類のシランを用いることで、疎水性から親水性へと、機能化したCNT表面の濡れ性を制御することが可能であった。静電引力が親水性表面で自己集合プログラムを開始する一方、ファンデルワールス(vdW)力がナノアセンブリの動作に重要な役割を果たすという、自己集合のメカニズムを明らかにした。加えてナノ接合関して、CNTと様々なナノワイヤの間の相互作用について解析した。vdW力がプロセスを支配し、そのエネルギーのしきい値が、温度、サイズ、およびその他の要因に関係なく一定に保たれることを明らかにした。 2.ナノマニピュレーション技術の開発 CNTのナノマニピュレーション技術を確立するため、走査型電子顕微鏡(SEM)内に実験系を構築した。ナノワイヤを切断、操作するため、マイクロ/ナノタングステンプローブをベクタスキャン可能にした。ナノワイヤはプローブ先端とワイヤとの接触点で正確に切断でき、切断したナノワイヤを線状に並べて配置することができた。ナノワイヤを移動する際、ナノワイヤの操作には様々な因子(材料特性、プローブチップの推進力の大きさと方向、ナノワイヤと基板表面との凝着力、など)が影響する。ナノワイヤを溶接するために、近接場増強効果に基づく光ファイバープローブレーザーを用いたナノスポット溶接法を提案した。ナノワイヤを効果的に接合できる本手法は、ナノワイヤから機能的構造体を構築するための有益な手法となり得ると期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載のとおり、申請時に計画した研究を遂行し、分子動力学シミュレーションにより、カーボンナノチューブの自己集合法による操作について理論的に検討した。さらに走査型電子顕微鏡内に実験系を構築して、ナノワイヤを切断、操作すると共に、光ファイバープローブレーザーを用いてナノワイヤ同士を接合するナノスポット溶接法を提案するなど、進展は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでにカーボンナノチューブやナノワイヤを正確に切断、操作、溶接する技術を開発してきた。また分子動力学シミュレーションによりカーボンナノチューブとナノワイヤとの相互作用について理解を深めてきた。これを発展させ、高精度にカーボンナノチューブを操作して配列し、ナノ接点を溶接することにより、高品質なスーパーグラフェン構造を実現することに挑戦する。
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Research Products
(3 results)