2019 Fiscal Year Annual Research Report
Multifunctional Durable Nanostructured Redox Electrocatalysts on Conducting Titanium Oxide Support
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18F18372
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
井上 博史 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00213174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NAIK KEERTI 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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Keywords | 酸素欠損酸化チタン / ナノシート / 白金ナノ粒子 / 固体高分子形燃料電池 / 酸素還元反応 / 担体 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)酸素欠損酸化チタンナノシート上へのPtナノ粒子の担持法の確立:前年度作製することに成功した酸素欠損酸化チタンナノシート(TiOx NS)を塩化白金酸カリウム水溶液に分散させた後、還元剤としてのNaBH4水溶液あるいはギ酸と混合することにより、室温でTiOx NS 上にPtナノ粒子を析出させることに成功した。Ptナノ粒子の平均粒径は3.6~3.8 nmであり、ギ酸を還元剤に用いた方が平均粒径は小さくなり、粒径分布も狭くなった。X線光電子分光分析よりTiOx NSとPtナノ粒子の間の電子的相互作用がSMSI効果のために強められることを確認した。 (2)Ptナノ粒子担持TiOx NSの酸素還元活性の評価:回転ディスク電極を用いた酸素飽和過塩素酸水溶液中でのリニアスイープボルタモグラム(LSV)測定より、Ptナノ粒子担持TiOx NS(Pt/TiOx NS)触媒は市販のPt/C触媒より質量活性が約1.5倍になった。また、80℃での10000サイクルの矩形波電位サイクル試験ではPtナノ粒子の表面積は32%減少したが、市販のPt/C(59%)に比べると大幅に改善した。 (2)Pt/TiOx NS触媒層および膜-電極接合体(MEA)の作製法の確立および燃料電池特性の評価:Pt/TiOx NSからなる正極触媒層を作製し、この触媒層とナフィオン膜を用いてMEAを作製する方法を確立した。このMEAを用いた固体高分子形燃料電池試験セルの最高出力は958 mW/cm2となり、Pt/C触媒の約1.8倍であった。また、このセルは、80℃、1.5 A/cm2で100 時間以上も安定に作動することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、(1) 酸素欠損酸化チタンナノシート(TiOx NS)上へのPtナノ粒子の担持法の確立、(2) Ptナノ粒子担持TiOx NS(Pt/TiOx NS)触媒層および膜-電極接合体の作製法の確立および燃料電池特性の評価、に成功した。(1)に関しては、2種類の還元剤が使用できることを明らかにし、作製したPt/TiOx NSの物性をX線回折測定、X線光電子分光分析、Raman分光分析、BET比表面積測定、電気伝導率測定などにより明らかにした。また、Pt/TiOx NS触媒担持電極の作製法を確立し、過塩素酸水溶液中での酸素還元活性および耐久性を回転ディスク電極測定や加速劣化試験などから、この触媒は市販のPt/C触媒に比べて酸素還元活性、耐久性ともに優れていることを明らかにした。(2)に関しては、Pt/TiOx NSをカソード触媒層を担持したガス拡散電極およびナフィオン膜-電極接合体の作製法を確立し、燃料電池試験セルを用いた80℃での発電試験を行い、フルセルでの発電特性ならびに耐久性を測定結果に基づき、フルセル試験においても、Pt/TiOx NSは市販のPt/Cよりカソード触媒として優れていることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は今年度の9月末に終了するため、今年度は以下の点について検討する予定である。 (1)酸素欠損酸化チタンナノシートを担体として用いる電極触媒の開発 研究分担者の開発した非白金系酸素還元/酸素発生触媒(例えば、Pd4Se、chevral相Mo6S8ナノキューブ、spinel型NiFe2O4など)あるいは当研究室で検討している金属間化合物(例えばZnPdなど)をTiOx上に担持した触媒を作製する技術を確立し、得られた触媒の水素発生反応、酸素還元反応、酸素発生反応、二酸化炭素還元反応などに対する触媒活性や耐久性を評価し、担体の効果を明らかにする。 上記の結果を踏まえて、2年間の研究結果の総括を行う予定である。
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Research Products
(1 results)