2018 Fiscal Year Annual Research Report
Control of Nanopores and Scattering Mechanisms to Develop Enhanced Thermoelectric Materials
Project/Area Number |
18F18374
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
森 孝雄 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (90354430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHUAI JING 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-10-12 – 2021-03-31
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Keywords | 熱電材料 / カルコゲナイド / 結晶場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、競合する熱電物性の制御原理を新規に発展させて、広範囲実用化に初めて資する高性能な熱電材料を開発する。半年でしたが、本年度の顕著な成果として、早くもGeTe系において、磁性イオンドーピングによる電子状態・散乱機構の制御によるパワーファクターの増強の実現を目指す研究の過程で、磁性元素を含めて一連の遷移金属のGeTeへのドーピングという本材料においては斬新で珍しい試行を行った結果、Tiドーピングにおいて予想外の顕著な成果を得た。すなわち、Tiドーピングによって、GeTe化合物の結晶場が制御され、その結果、電子状態・散乱機構が制御されて、電気伝導率とゼーベック係数の組み合わせから成るパワーファクターが大幅に増強された。これに伴い、総合的な熱電性能を表す指数であるZTの顕著な増強、ZT~1.6、が得られた。本成果は、論文としてまとめられ、著名なMaterials Today Physics誌にアクセプトされたところである。(Jing Shuai, Xiaojian Tan, Quansheng Guo, Jingtao Xu, Alain Gellé, Régis Gautier, Jean-François Halet, Fainan Failamani, Jun Jiang, and Takao Mori, “Enhanced Thermoelectric Performance through Crystal Field Engineering in Transition Metal Doped GeTe”, Materials Today Physics in press (2019). Doi: 10.1016/j.mtphys.2019.100094)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、競合する熱電物性の制御原理を新規に発展させて、広範囲実用化に初めて資する高性能な熱電材料を開発する。半年でしたが、本年度の顕著な成果として、早くもGeTe系において、磁性イオンドーピングによる電子状態・散乱機構の制御によるパワーファクターの増強の実現を目指す研究の過程で、磁性元素を含めて一連の遷移金属のGeTeへのドーピングという本材料においては斬新で珍しい試行を行った結果、Tiドーピングにおいて予想外の顕著な成果を得た。すなわち、Tiドーピングによって、GeTe化合物の結晶場が制御され、その結果、電子状態・散乱機構が制御されて、電気伝導率とゼーベック係数の組み合わせから成るパワーファクターが大幅に増強された。これに伴い、総合的な熱電性能を表す指数であるZTの顕著な増強、ZT~1.6、が得られた。本成果は、論文としてまとめられ、著名なMaterials Today Physics誌にアクセプトされたところである。(Jing Shuai, Xiaojian Tan, Quansheng Guo, Jingtao Xu, Alain Gellé, Régis Gautier, Jean-François Halet, Fainan Failamani, Jun Jiang, and Takao Mori, “Enhanced Thermoelectric Performance through Crystal Field Engineering in Transition Metal Doped GeTe”, Materials Today Physics in press (2019).)
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の顕著な成果として、GeTe系において、遷移金属のドーピングという本材料においては斬新で珍しい試行を行った結果、Tiドーピングにおいて予想外の顕著な成果を得た。すなわち、Tiドーピングによって、結晶場が制御され、その結果、電子状態・散乱機構が制御されて、パワーファクターと総合的な熱電性能の顕著な増強(ZT~1.6)が得られた。今後の進め方として、こうして結晶場を活用して新規な熱電増強の効果を見出したので、他の遷移金属ドーピング実験を進めて、本効果を高度化するとともに、主に結晶場の効果は電子状態・バンド構造に作用してパワーファクターの増強につながる効果であったので、総合的な熱電高性能化をさらに進めるために、格子熱伝導率の低減につながるフォノンの選択散乱を実現する原理の開発を合わせて進める。本研究で生み出される研究成果の特許出願の可能性を検討して、学会発表を活発に行いながら、論文を速やかにまとめて出版発表する。
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Research Products
(1 results)