2020 Fiscal Year Annual Research Report
Parental environment effects on epigenetic inheritance and offspring fitness in fish
Project/Area Number |
18F18383
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN MD. Moshiur 東京海洋大学, 学術研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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Keywords | 地球温暖化 / 気候変動 / 環境適応能力 / エピジェネティック制御 / 次世代フィットネス / 生物多様性 / 水産資源保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、将来的な温暖化を見据えた高水温(34~38℃)および平常時の水温(27℃)下で、メダカ親魚を4週間飼育した後、再び平常水温に戻し繁殖させ、高温経験が親世代の繁殖力と各種繁殖パラメータおよび次世代(F1)の発生速度や形態に及ぼす影響、さらに、その影響の世代間伝達に関する遺伝的解析を行った。高水温の38℃区の供試魚は大量へい死したが、34~36℃区では生残個体が多かった。高水温暴露試験中には産卵が確認されなかったが、再び平常水温飼育に切り替えた後には高水温曝露された試験区の親魚の方が、対照区の親魚と比較して産卵頻度が高く、産卵数や卵の授精率が高かった。なお、卵径やふ化率には、親魚への高水温の影響は確認されなかった。F1個体では、繁殖直前に親魚が経験した水温が高いほど胚発生が速く、孵化仔魚の体長が大きかった。さらに、高水温を経験した親魚から生まれた個体は体が短く、丸みを帯びた体型であった。本研究で確認されたそれらの次世代の表現型の変化は、異なる水温環境(ストレス環境)を経験した親世代からの世代間エピジェネティック制御機構が齎した結果と推測され、本研究の結果から、親魚の経験した環境ストレス(今回の場合は高水温)は、短期間の暴露でも次世代個体の表現型に大きな影響を及ぼすことが示された。また本研究では、異なる水温条件で飼育した親個体の生殖腺を摘出し、環境ストレス起因で発生する突然変誘発機構に関連するY-family polymerase遺伝子群のeta、iota、rev1およびrev3遺伝子の発現プロファイルを調べた。その結果、親魚が経験した水温環境の違いによって本遺伝子群の発現量が異なる傾向が確認され、親魚の経験した環境ストレスが引き起こす、遺伝子の発現機構の変異(ひいては表現型の変異)には、Y-family polymerase遺伝子群も関係している可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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