2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the interaction between rhizosphere microbes and Pteris vittata by multi-omics
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18F18393
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 千弘 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (30271878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HO YING-NING 東北大学, 環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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Keywords | モエジマシダ / 根圏微生物 / 内生菌 / 相互関係 / ヒ素 / ファイトレメディエーション |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒ素高蓄積植物のモエジマシダはヒ素汚染土壌のファイトレメディエーションに利用されている。モエジマシダは土壌中の水溶性のヒ素を効率的に吸収するが、土壌中の鉄分に吸着あるいは結合している非水溶性のヒ素はほとんど吸収できないため、土壌からのヒ素除去の制約となっている。本研究では、モエジマシダと内生菌を含めた根圏微生物との相互作用を解明し、その成果を土壌からの非水溶性のヒ素の溶出促進に活用することを目指し、以下の3項目について検討を行った。 1.2018年の春から秋にかけてモエジマシダを生育させた圃場からヒ素含有/非含有土壌試料を採取し、土壌中の根圏微生物を集菌し全DNAを抽出した。また同じ土壌試料で生育させた後、表面を滅菌したモエジマシダの根試料から内生菌の全DNAを抽出した。次年度にはこれらのDNA試料を用いてメタゲノム解析を行い、モエジマシダの根圏土壌と根内部に存在する微生物の群集構造の差異を比較検討する。 2.上記の圃場で生育させたモエジマシダの根圏および根内部から種々の微生物を単離し、単離した微生物について16(18)SrRNA遺伝子解析による簡易同定を行うとともに、ヒ素耐性、ヒ酸還元能力、ヒ素可溶化能力、植物成長促進能力などを指標とした評価を行ったところ、それら複数の能力全般が優れた細菌など、ユニークな機能を有する微生物が多数存在することが判明した。 3.東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンターにおいて、ポジトロンイメージング装置(PETIS)を使用し、ヒ素のポジトロン核種である74Asをトレーサとしたヒ素のモエジマシダ体内吸収過程について予備的な検討を行い、PETISによるヒ素の動態のイメージングが可能であることを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外国人特別研究員の日本赴任が当初予定よりも1月ほど遅れたため、1.に関しては当初予定していた抽出したDNAを用いたメタゲノム解析まで到達できなかった。しかしながら、2.に関しては当初予定通り微生物の単離と機能評価が進捗し、また3.に関してはPETISによるヒ素のモエジマシダ体内の動態のイメージングを可能にしており、予定を上回る進度で研究が進展した。従って全体としては概ね順調と評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は以下の5点であり、これら各研究項目で得られた内容を関連付けながら、モエジマシダによる土壌からの非水溶性のヒ素の溶出促進に活用することを目指していく。 1.前年度と同様にモエジマシダを生育させた土壌試料中の根圏微生物と根の内生菌を集菌し全DNAを抽出する。前年度と本年度に抽出した各DNA試料のメタゲノム解析を行い、年度間の群集構造の相違、土壌の種類による相違、根圏と内生菌との相違等を比較検討する。 2.前年度と同様に根圏微生物と内生菌を単離し、機能評価を行って、前年度との比較を行う。 3.モエジマシダ根からの代謝産物の抽出を行い、得られた試料を超高速液体クロマトグラフィー-質量分析(UPLC-MS)により評価する。メタゲノム解析結果とこの代謝産物解析結果に関し、統合的な関連付けを行う。 4.前年度単離し能力評価を行った根圏微生物と内生菌の中から高ヒ素耐性と植物成長促進の複合能力を有するものをモエジマシダの根圏ないし根に接種して栽培し、土壌からのヒ素吸収能力の向上を評価する。 5.ヒ素濃度や共存させるリン酸濃度を変化させながら、PETISによるヒ素のモエジマシダ体内の動態のイメージング実験を行う。
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Research Products
(1 results)