2018 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring novel therapeutic target genes for dog prostate cancer using urine-derived 3D culture
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18F18397
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
臼井 達哉 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 特任講師 (80727652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KEWAN MOHAMED 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-10-12 – 2021-03-31
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Keywords | オルガノイド / イヌ / 前立腺がん / 尿サンプル |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、がんの病態を培養ディッシュ上で再現できる新たなシステムとして三次元細胞培養法(オルガノイド培養法)が開発された。ヒトと違いイヌの前立腺がんは、診断時に末期的な症状を示すことが多く、手術やバイオプシーによる組織の採取も困難なことから、既存の方法を用いたがんオルガノイドの作製は不可能であった。 最近受け入れ研究者は、前立腺がん罹患犬の尿サンプルを用いて前立腺がんオルガノイドを作製する方法を見出した(Usui et al., Cancer Sci, 2017)。本研究では、これまでに作製した尿由来前立腺がんオルガノイドの2層性構造(基底細胞と管腔細胞)に着目し、特に基底細胞特異的に発現が上昇する遺伝子を同定し、抗がん剤感受性、マウス体内での腫瘍形成能に及ぼす影響やその制御機構を検討することで新規治療・診断法の開発につなげることを主たる目的とする。 本年度は凍結したイヌ前立腺がんオルガノイドを実験に用いるために、3系統のオルガノイドを解凍して再び培養を行い、継代を重ねて細胞を増殖させた。また、解凍したオルガノイドが凍結前の状態と比較してその性質が変化していないかを検討した。3系統のイヌ前立腺がんオルガノイドは、いづれも順調な増殖能を示し、実験に使用可能であることを確認した。さらに、免疫蛍光染色によって上皮細胞マーカーE-cadherin陽性細胞およびがん幹細胞マーカーCD44の分布を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、本計画に用いるイヌ前立腺がんオルガノイドを三系統凍結サンプルから解凍し、実験に使用可能であることを様々な解析によって確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
1. セルソーティングによるbasalおよびluminal cell前立腺がんオルガノイドの作製 3系統のイヌ前立腺がんオルガノイドを用意し、セルソーター(SH800, SONY)とbasalおよびluminal cellマーカー抗体(CD49fおよびCD24)を用いて、オルガノイド構成細胞をソートした後にマトリゲルに再度播種し、basalおよびluminal cell前立腺がんオルガノイドを作製する。その後、各オルガノイドの性質を比較検討する。 2. basalおよびluminal cell オルガノイドの遺伝子解析 sortした3系統のオルガノイドのRNAを抽出し、RNA シークエンス解析を行い、共通して発現が上昇する遺伝子を同定する。その後、上昇遺伝子をレンチウイルスを用いてノックダウンしたbasalオルガノイドを作製する。
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