2019 Fiscal Year Annual Research Report
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18F18415
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
稲垣 毅 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (10507825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VARGAS-TRUJILLO DIANA 群馬大学, 生体調節研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-10-12 – 2021-03-31
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Keywords | エピゲノム / 脂肪細胞 / RNA修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
栄養状態や外部環境は脂肪の性質制御に影響を与える。このような環境応答性の制御においては、「ゲノムの塩基配列変化をともなわない遺伝子発現調節機構」であるエピゲノムが関与すると考えられる。そのため、脂肪細胞の性質制御に関わるエピゲノム機構について、ヒストンの修飾をはじめとする機構の関与が明らかにされてきた。しかしながら、RNAメチル化制御による脂肪細胞性質制御の分子機構に関しては、未解明な点が多く残されている。本研究では、RNAメチル化制御因子による脂肪細胞分化への影響を検討し、詳細な分子機構の解明を目指すこととした。本年度は、CRISPR-Cas9システムに基づくスクリーニング系細胞の作製を前年度から引き継いで実施したうえで利用し、白色脂肪細胞分化に関与するRNAメチル化酵素群およびRNA脱メチル化酵素群のスクリーニングを実施した。詳細には、各酵素群についてn=3以上の条件で細胞ラインを作製し、脂肪細胞分化誘導剤(インスリン、デキサメタゾン、isobutylmethylxanthine(IBMX))をもちいて分化を誘導したうえで、オイルレッドO(ORO)染色を実施して脂肪細胞分化への影響を検討した。このCRISPR-Cas9システムスクリーニングの結果、脂肪細胞分化程度に影響を及ぼした候補酵素群に関してはさらにT7エンドヌクレアーゼ法、リアルタイム定量PCR(RT-qPCR)法、イムノブロット法をもちいたノックアウト効率の検証を実施するとともに、RT-qPCR法とイムノブロット法を用いて脂肪細胞分化関連遺伝子と発現タンパク程度への影響を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、二年間で実施予定であったRNAメチル化制御因子群の遺伝子領域を標的とするgRNAの設計、レトロウィルス作製とCas9強制発現細胞株の樹立、gRNA発現ウィルス感染スクリーニング系細胞の樹立とそれを用いたスクリーニング、スクリーニング検証と脂肪細胞分化関連遺伝子発現への影響の検討に取り組んでおり、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで順調に計画が進んでいることから、引き続き予定通り研究を進める。最終年は、脂肪細胞分化に影響を与えるRNAメチル化制御因子のスクリーニングの検証と分子機構の解明に取り組む。
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Research Products
(6 results)