2018 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能データ解析における内因性および外因性信号の定量化技術の開発
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18F18706
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
西本 伸志 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 主任研究員 (00713455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
COHEN DROR 国立研究開発法人情報通信研究機構, .脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-07-25 – 2020-03-31
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Keywords | 大脳皮質 / FMRI / エンコーディングモデル / 自然知覚 / 機能的結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度においては、自然視聴覚刺激下における内因性および外因性信号の定量的解析のため、機能的磁気共鳴画像法(functional MRI; Siemens 3T MAGNETOM Vida)を用いて多様な動画を見ている際のヒト被験者の全脳活動記録実験を行った。また動画実験とは別に取得した脳構造データ及び機能データを元に、被験者ごとに解剖学的および機能的な各種脳領域の同定を行った。各領域内のボクセル(fMRI計測の空間単位)について視聴覚特徴、自己回帰(機能的結合)モデル等を用いた脳活動の予測モデル(エンコーディングモデル)構築を行い、動画の性質等に応じて予測モデルの担う情報表現がどのように異なるかを定量的に解析した。多ボクセル・多次元特徴データについて解析を行うため、予測モデル構築の際にはL2正則化付き線形回帰等を用いた。 上記の実験および解析の結果、上記のモデル構築を主軸とした解析の枠組みにおいて認知的な状態に依存した内因性および外因性と推定される脳活動信号の切り分けが一定精度で可能であるとの予備的な知見を得た。また上記の信号の切り分けは、後頭部・視覚関連領野を含む皮質上の広い領域で観察することが出来た。これらの結果は、内因性および外因性信号が、実験時に直接刺激を与えている視覚関連領野だけでなく、連合野等も含むより高次の脳領域についても影響を及ぼしていることを示唆する。本研究の成果は2019年度中に国際学会において発表の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り予備実験と解析を行い、有望な知見を得ることが出来ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続きヒト被験者を対象とした脳活動記録(fMRI)実験を行う。多様な認知状態下における解析手法の一般性を検証するため、様々なタスク条件下における実験を試みる。論文出版に向けて十分な数の実験・データ取得を行い、引き続き解析および解析手法の検証を進める。
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