2019 Fiscal Year Annual Research Report
認知参照点モデルに基づく日本のマグスポット研究-中国観光への波及効果に関連して
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18F18730
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
王 亜新 東洋大学, 社会学部, 教授 (30287552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HUANG HUAIGU 東洋大学, 社会学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-10-12 – 2021-03-31
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Keywords | アニメツーリズム / 聖地巡礼 / 中国人観光客 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)研究分担者である特別研究員は研究代表者の指導のもとで、2019年度は中国で入手困難な日本のアニメツーリズムに関する文献を収集し、現時点で著作類文献で入手可能なものはほぼ入手できた。帰国後の研究にとって非常に役立つものとなる。2)研究分担者は複数の学会やイベントを通じて日本アニメーション協会やコンテンツツーリズム学会の会長など当該分野を代表する学者から貴重なアドバイスを受け、今後の共同研究に繋がる人脈を広げることもできた。3)研究分担者は東京都内23区及び調布、武蔵野、立川、多摩市等にあるアニメ聖地に対しフィールドワークを行い詳細な調査を行ってきた。4)東京都のほか、埼玉、千葉、神奈川、新潟、兵庫、京都、愛知、岐阜、福岡、佐賀等の地域にあるアニメ聖地に対して現地調査を行った。5)C3AFA TOKYO、コミックマーケット、全日本模型ホビーションを初めとするアニメ文化関連のイベントについてリサーチを行った。6)三鷹の森ジブリ美術館、新潟市マンガ・アニメ情報館、京都マンガミュージアム、北九州市マンガミュージアムを初めとするアニメ文化関連の博物館・美術館をリサーチした。7)サンリオピューロランド、マザリア、あるあるCity等のアニメ文化に関連するアミューズメント施設に対して調査を行った。8)実験する漫画展、ジョジョ奇妙な冒険 黄金の風 meets TOWER RECORDS、「天気の子」展など中国では珍しい特定なアニメをテーマとする展示会についてリサーチを行った。9)アニメ関連の聖地、イベント、博物館、アミューズメント施設、専門店でのフィールドワーク及び中国人アニメファンの認知調査をもとに中国向けの関西アニメツーリズムのルートをデザインした。10)以上の研究を踏まえて論文を書き、その一つを学術誌に掲載したが、予定した学会発表は新型コロナウィルスの蔓延により中止となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)著作類の文献収集は次年度出版予定の書物を除きほぼ完成し、これからは論文類の文献収集を中心に、特に研究分担者が帰国後に中国からアクセスできないデータバンクにあるデジタルベースの論文をできるだけ帰国前に収集する予定である。2)東京のアニメ聖地の調査について、現時点で23区内及び調布、三鷹、武蔵野、立川、多摩市で実施してきたが、『デード・ア・ライブ』の町田市、『薄桜鬼』の日野市、『ケロロ軍曹』の西東京市等での調査はまだ行っていない。3)東京アニメセンター、北九州市マンガミュージアム、京都マンガミュージアム、三鷹の森ジブリ美術館を初めとする日本全国のアニメ博物館・美術館はほぼ調査した。4)東京ワンピースタワー、マザリア、USJ、サンリオピューロランドなどのアニメ関連アミューズメント施設はほぼ調査し、残ったのはハウステンボスと東京ディズニーランドだけである。5)神奈川県のフィールドワークは藤子・F・不二雄ミュージアムの川崎市、『文豪ストレイドッグス』の横浜市、『スラムダンク』の鎌倉市を調査したが、『青春ブタ野郎』シリーズの藤沢市のフィールドワークは新型コロナウィルスの蔓延により中断を余儀なくされた。3月に行う予定の『ハイスクール・フリート』の横須賀市、『新世紀エヴァンゲリオン』の箱根町の現地調査も新型コロナウィルスの蔓延により中断した。6)埼玉県については、『レーカン!』の草加市、『バクマン。』の越谷市、『らき☆すた』の久喜市、『クレヨンしんちゃん』の春日部市、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』の秩父市、『キャプテン翼』のさいたま市を調査したが、『神様はじめました』、『月がきれい』の川越市での調査は新型コロナウィルスの蔓延により中断している。また2月に予定した『ヤマノススメ』の飯能市、『灼眼のシャナ』の大宮市への調査も、新型コロナウィルスの蔓延によりまだ実現していない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者は、当初の研究目的を最終的に達成するために引続き文献研究とフィールドワークを行う。但し新型コロナウィルスが蔓延している間は文献研究を中心に進める。「爆滑り」が進んでいる中、今の中国人観光客は体験型消費を求めている。特にアニメ聖地巡礼者にとってアニメのキャラクター達が行ったところに行くだけが巡礼ではなく、現地で「した・された」ことを実体験することも巡礼である。今後の文献研究はアニメツーリズムの体験型消費に繋がる可能性を探ることを主眼とする。また体験型消費を導入することにより日中共同プロジェクトの形で架空なアニメ聖地を日本、中国また第三国でVR世界で作る可能性の理論上のアプローチも文献研究の対象とする。 新型ウイルス蔓延が収まった後、フィールドワークを再開し、去年に引続き、関東地方の『デード・ア・ライブ』の町田市、『薄桜鬼』の日野市、『ケロロ軍曹』の西東京市、『青春ブタ野郎』シリーズの藤沢市、『ハイスクール・フリート』の横須賀市、『新世紀エヴァンゲリオン』の箱根町、『神様はじめました』『月がきれい』の川越市、『ヤマノススメ』の飯能市、『灼眼のシャナ』の大宮市、『ガールズ&パンツァー』の大洗町、『宇宙よりも遠い場所』の館林市等を調査する予定である。また関東地方以外は沖縄、長崎、広島、奈良、滋賀、石川、富山、北海道等8つの道県での調査計画が残っている。万が一新型ウイルス蔓延で実現できない場合は文献研究で補う。 以上の調査結果をふまえ、中国のマンガ・アニメ・ゲームファン向けの日本ツアーに最も相応しい観光スポットの組合わせと観光ルート案を作成し、関係学会の研究者と討議した上、論文にまとめる予定である。 研究分担者は今年9月に帰国し、2年間の研究成果を半年間かけて写真と映像満載の講義素材に整理し、来年3月に珠海の大学で中国初の『アニメツーリズムと聖地巡礼』講義を開設する予定である。
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Research Products
(1 results)