2018 Fiscal Year Annual Research Report
A method for measuring 2D temperature distribution in magnetic nanoparticle-mediated hyperthermia
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18F18760
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 敬 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (30380588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DU ZHONGZHOU 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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Keywords | 磁性ナノ粒子 / 温度分布計測 / 高調波磁化 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁性ナノ粒子を用いた癌温熱治療(磁気的ハイパーサーミア)の研究が盛んに行われている。これは、癌細胞に蓄積させた磁性ナノ粒子に交流励起磁界を印加し、磁性ナノ粒子のヒステリシス損による熱により、癌細胞のみを選択的に死滅させるものである。しかしながら、副作用が少なく(正常な細胞を死滅させることなく)、かつ高精度な治療を行うためには、リアルタイムで精度良く磁性ナノ粒子の温度をモニタリングする必要がある。これらの背景を想定し、磁性ナノ粒子の二次元温度分布計測法を開発することが本研究の目的である。 磁性ナノ粒子の温度推定は、励起磁界に対する、磁性ナノ粒子の高調波磁化信号を用いて行うが、本年度行った研究は以下である。 磁性ナノ粒子の交流励起磁界に対する磁化応答は、磁性ナノ粒子の緩和時間を無視すると、Langevin関数によって表されることが知らせている。しかし、このモデルが成り立つためには、交流励起磁界の周波数を緩和時間よりも十分遅くする必要があり、これではリアルタイムな温度推定が実現できない。そこで、高周波励起磁界に対する磁性ナノ粒子の高調波磁化信号の測定を行った。また、計算機による、磁性ナノ粒子の緩和時間を考慮した高調波磁化特性の数値シミュレーションコードを開発し、基礎的な解析結果を得ている。これらの解析結果と実験結果の比較を行い、緩和時間が無視できない、励起周波数が高い領域での磁性ナノ粒子の高調波磁化モデルを作成し、得られた結果を論文投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高速な温度分布推定に必要となる、励起周波数が高い領域での磁性ナノ粒子の高調波磁化モデルを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
高周波励起磁界に対する磁性ナノ粒子の高調波磁化信号モデルの高精度化を行い、妥当性の検証を行う。これらの結果をもとに、磁性ナノ粒子の二次元温度分布計測システムの開発を行う。 次に、得られた高調波磁化信号から磁性ナノ粒子の二次元温度分布イメージング化に必要な二次元温度分布推定アルゴリズムの開発を行い、まずは、数値シミュレーションによりアルゴリズムの検証を行う。
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