2018 Fiscal Year Annual Research Report
IVIM-DWIを用いた慢性B型肝炎患者における炎症と線維化の関連性に関する研究
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18F18809
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
村上 康二 順天堂大学, 医学部, 教授 (50200267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HE BO 順天堂大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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Keywords | MRI / 拡散強調画像 / IVIM / 肝硬変 / 肝機能 / 慢性肝障害 / ファイブロスキャン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の実施担当者である中国からの留学生は2018年11月末に来日したため、実質的に 2018年度の研究期間は2018年12月から2019年3月までの4ヶ月間であった。最初の1ヶ月は研究に必要な学内のアカウント取得などの事務手続き、研究倫理規定などに関する講義やe-learningの受講に当てられた。同時に本研究に協力を依頼する消化器内科、放射線部、および使用するMRIの製造メーカーとの顔合わせ、コミュニケーションの構築を行った。 次に研究の概要を消化器内科や放射線部、MRI担当メーカーに説明し、内容の修正やMRIについては撮像法の最適プロトコールを打ち合わせた。当院には複数のMRI装置が設置されているが、それぞれの装置の導入時期が異なり、また製造メーカーも異なるため、撮像装置やプロトコールの決定が研究の結果に大きく影響をする。専門家の意見も取り入れた結果、使用MRI装置は2018年秋に導入された最新型のキヤノン製Vantage Galan 3Tを使用することになった。また本研究の主目的であるIVIM-DWI (Intravovel incoherent motion-Diffusion weighted image)は精度を高めるため10ポイント程度のb値で測定し、さらにMRI-based PDFF(Proton density fat fraction)の測定も同時に行う事とした。消化器内科との議論により、生検例は症例数が少ないことが予想されたため、代替評価法としてfibroscanによる肝硬度の評価との比較も検討項目に加えることが決定された。 以上の研究計画の作成に併行して当学臨床研究・治験センターにもコンサルトし、研究内容の妥当性や統計解析の方法などを検討した。本研究は介入を有する臨床研究になるため、現在研究計画書を倫理委員会に提出している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年2月には、留学生の母親が入院する事になり、急遽1ヶ月ほど本国に帰国をすることになった(JSPSに了解済みの一時帰国)。 従って丸1ヶ月は研究が出来ず、この分のわずかな遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は臨床研究として研究計画書をIRBに提出している段階であり、申請が認可され次第、臨床研究を開始する予定である。昨年提出した計画書ではブタ肝臓の実験を実施する計画が記載されているが、使用する新型MRI装置の使用予定が詰まっており実験に使用する時間が取れないこと、また衛生上の問題もあるため、本研究では臨床研究だけに絞ることに変更した。 一方、検討項目としては消化器内科との共同研究として、IVIM-DWI以外にPDFFによる肝脂肪の沈着度、エコーによるfibroscanも実施する事となった。さらに肝繊維化マーカーであるtype 4 collagen, P3P, PLT等の血液検査データとの比較も本研究の検討項目に加えられた。 対象症例の変更点としては、主目標が慢性B型肝炎患者であることに変更は無いものの、それ以外に自己免疫性肝炎や脂肪肝による慢性肝障害患者も本研究に含めることにして、secondary endpoint として疾患別のサブ解析を実施する事が予定されている。 以上のように、消化器内科との議論により当初の実施計画とは多少変更点が生じているが、主目標に変更は無い。2019年度は内科や放射線部の協力を得ながら、臨床症例数を増やしデータを収集する予定である。
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