2006 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー補助広角3次元アトムプローブの開発と実デバイスの3次元原子レベル解析
Project/Area Number |
18GS0204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾張 真則 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (70160950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 昌宏 金沢工業大学, 環境・建築学部, 助教授 (30250418)
野島 雅 東京理科大学, 総合研究機構, 助手 (50366449)
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Keywords | アトムプローブ / 電界蒸発 / パルスレーザー / 収束イオンビーム加工 / 微小引出し電極 / 超高真空 / シミュレーション / 質量分析 |
Research Abstract |
平成18年度は5カ年計画の初年度として、以下の研究を行った。 1.レーザー補助直接投影型3DAP装置の設計・試作 必要となる真空容器と排気系の設計を行った。特に、試料交換後の排気速度と測定室の到達真空度と到達真空度を適切に維持するため、真空槽は3室構成とし、測定室と第2交換室の排気はバルブを通さないでターボ分子ポンプを容器に直付けする構造とした。この設計に基づき製作した装置では、試料交換後数分で目的真空度を実現することができた。 2.レーザー補助電界イオン化機構の解明 酸化物に担持した有機分子から生成した電界蒸発イオンの質量分布パターンを詳細に検討することにより、電界蒸発イオン化に伴う開裂反応に関する多くの知見を得ることができた。 3.微小引出し電極の最適化 微小引出し電極及び試料、周辺部品の形状について、イオン光学的シミュレーションを行うことで総合的最適形状を探索した。電界蒸発イオン化に必要な電界強度を実現しつつ総印加電圧を低く抑えること、試料先端の電界強度を十分に維持しつつ試料先端から根元に至る各部分にかかる電界応力を低く抑えることなどを目標に各種パラメータを調整した結果、最適な試料先端円錐角、試料-微小引出し電極距離、微小引出し電極開口径、電極先端曲率を求めることができた。この結果得られた最適引出し電極形状について、材質・加工方法を検討し、機械的プレス加工と収束イオンビームを用いた微細加工を併用することで実際に微小引出し電極を試作した。 4.3次元原子配列再構築アルゴリズムの開発 電界蒸発シミュレーションにより発生させたデータを用い、3次元原子配列再構築アルゴリズムを検討した。特に、確率的検出欠損とクラスターイオン発生への対処法として、非検出原子位置の推定法を開発した。
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Research Products
(7 results)