2008 Fiscal Year Annual Research Report
シークエンス高分子-学際融合による新高分子科学の創成
Project/Area Number |
18GS0209
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
澤本 光男 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (90150325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 誠 京都大学, 工学研究科, 助教 (90394874)
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Keywords | 高分子合成 / 連鎖制御 / 重合触媒 / 精密重合 / 機能性高分子 / 鋳型 / シークエンス / 配位子 |
Research Abstract |
(a)高活性・高汎用性精密重合系の開発シークエンス高分子の精密合成の基盤となる、より広範な機能性モノマーに適応可能な重合系を開発した。特に、配位子と組み合わせる添加物を最適化することで、従来比較的困難であった、水・アルコール均一系での各種官能基を有する機能性ポリマーの精密合成を達成した。また、触媒使用量も従来の1/10以下(モノマーに対し100ppm以下)まで低減し、活性・制御性・汎用性の両立が可能となった。 (b)官能基周期配列高分子の合成と機能分子量分布の狭いテレケリックオリゴマーを鎖延長化し、官能基がほぼ均等な周期で配列した配列制御高分子を合成した。このポリマーは、官能基がランダムに配列したポリマーと比べ特異な物性(結晶性等)を示し、配列制御による新たな機能発現の可能性を見出した。 (c)鋳型重合基盤モノマーの設計とその精密重合シークエンス高分子の「機能基」と、鋳型と相互作用させるための「相互作用基」を有するα, α二置換モノマーを「鋳型重合基盤モノマー」として設計・合成し、このような二置換モノマーの精密重合技術を確立した。本年度は、重合後の鋳型からの切り離しと鋳型への選択的相互作用を狙い、核酸塩基を導入したアルコキシシラン基をα位に有するアクリレートを設計した。また、その前駆体モノマーの精密重合にも成功した。 (d)精密付加反応系の開発:鋳型組込み型開始剤を用いたラジカル付加反応・温度制御によるカチオン付加 配列制御高分子合成の基盤技術となる、精密付加反応系を開発した。具体的には、モノマーと選択的に相互作用する官能基を、反応点の近傍に鋳型として組み込んだ鋳型開始剤を用いると、高選択的な一分子ラジカル付加反応が可能であることが分かった。この開始剤を異種モノマーとの競争反応に適応すると、鋳型を持だない開始剤に比べ、選択性が10倍以上に向上した。また、モノマーに応じた反応温制御により、アクティブードーマント平衡を利用した精密カチオン付加反応を達成し、高選択的な一分子付加の繰り返しにも成功した。
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Research Products
(37 results)