2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18GS0312
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹縄 忠臣 Kobe University, 医学研究科, 特命教授 (40101315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 雄彦 秋田大学, 医学部, 教授 (50333365)
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Keywords | ホスホイノシタイド / 可視化 / PI(3, 4)P2 / 浸潤突起 / FISH |
Research Abstract |
従来、細胞内のホスホイノシタイドの局在を見るにはGFPを融合したPLCδ1 PHドメインを用いてPI(4, 5)P2を、AKT PHを用いてPI(3, 4, 5)P3を可視化してきた。しかしこの方法は、細胞にこれらのプローブを発現させる操作を必要とする。また細胞にホスホイノシタイドに結合するプローブを過剰発現する事で、様々な障害を細胞にもたらす。これらの弱点を克服するため、ホスホイノシタイド結合ドメインを免疫蛍光染色の抗体のように使って、一度に様々なホスホイノシタイドを同時に検出する方法を開発した。プローブにはPLCδ1 PHをPI(4, 5)P2検出にGrp1 PH をPI(3, 4, 5)P3検出に、Tapp1 PHをPI(3, 4)P2検出に使用し、これらを様々なカラーのQuantum Dot(QD)に結合させた。GFPでは非特異的な蛍光を拾いがちであったが、QDは発色波長が鋭く、他の色のQDとの間に蛍光をかぶることがない。この検出法を用いて細胞や組織でPI(4, 5)P2、PI(3, 4, 5)P3やPI(3, 4)P2を同時に測定できた。 ホスホイノシタイド検出法を用いて、Srcでがん化した3T3細胞の浸潤突起にあるホスホイノシタイドを特定した。Src/3T3細胞は浸潤班とよばれるアクチンでできた突起を構築し、基底膜や基質へと浸潤していく。その際、浸潤突起がどのようにしてできるかは不明であった。我々はあるホスホイノシタイドが引き金となって浸潤突起ができるのではないかと考え、浸潤突起に局在するホスホイノシタイドを特定し、それがPI(3, 4)P2であることを明らかにした。 その部位にPI(3, 4)P2に結合するFISH蛋白質がGrb2とともにリクルートされる。更に、FISHはSH3ドメインを5個持ち、全てにN-WASPを結合することができるので、大量のN-WASPが集められてアクチン重合が起こり、浸潤突起ができるという機序を明らかにした。
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Research Products
(3 results)