2009 Fiscal Year Annual Research Report
個体レベルにおけるインスリンシグナル伝達ネットワークとその統合
Project/Area Number |
18GS0317
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
春日 雅人 Research Institute, International Medical Center of Japan, 研究所, 所長 (50161047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 渉 神戸大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40294219)
木戸 良明 神戸大学, 大学院・保健学研究科, 准教授 (10335440)
田守 義和 神戸大学, 大学院・医学研究科, 戦略的客員教授 (90379397)
井上 啓 金沢大学, フロンティアサイエンス機構, 特任准教授 (50397832)
中江 淳 慶応義塾大学, 医学部, 特別研究准教授 (00344573)
松本 道宏 国立国際医療研究ヤンター, 研究所・臨床薬理研究部, 部長 (90467663)
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Keywords | インスリン / 糖新生 / 遺伝子発現 / 肥満 / 過食 / KLF15 / PDK1 |
Research Abstract |
ビグアナイド系の抗糖尿病薬であるメトホルミンは、肝臓からの糖新生を抑制することで血糖値を低下させると考えられている。この機序としてメトホルミンによって活性化されるAMPキナーゼの関与が想定されているが、不明の点も多い。これまでに肥満に伴って脂肪組織で発現が低下する転写因子KLF15が、脂肪組織の代謝を制御することを明らかにしてきたが、肝代謝における役割は未検討であった。肝臓特異的にKLF15を欠損するマウスを作製したところ、肝臓における糖新生系酵素の発現ならびに血糖値の低下を認めた。さらに、メトホルミンが糖産生系酵素の発現抑制と共にKLF15の発現を抑制すること、メトホルミンの抑制効果がKLF15の発現により減弱することが明らかとなった。肝臓においてKLF15は、肝糖新生を制御するとともにメトフォルミンの血糖降下作用にも関与する分子であることが明らかとなった。 また、POMCニューロンは摂食の制御に重要な役割を果たしている。インスリンシグナル伝達系のPOMCニューロンにおける役割を検討するため、POMCニューロン特異的PDK1欠損マウスを作製した。本マウスはPOMCの発現低下と過食による体重増加を呈した。PDK1の下流で不活性化される転写因子Foxo1の恒常的活性型変異体のPOMCニューロン特異的な発現もまた、軽度肥満と摂食亢進を示した。PDK1欠損POMCニューロンにおけるFoxo1活性の抑制により、過食、肥満の表現型は消失した。これらの結果より、PDK1-Foxo1経路が、POMCの発現調節と摂食の制御に重要であることが明らかとなった。 これらの他、Cited2ならびにC/EBPbの組織特異的欠損マウスを作製し、その表現型を解析した。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
Ogawa W
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Journal Title
Role of Kruppel-like factor 15 in Adipocytes. In "The biology of Kruppel-like factors"(Springer)
Pages: 151-157
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