2006 Fiscal Year Annual Research Report
光合成・光エネルギー変換装置のダイナミクスとその分子基盤の解明
Project/Area Number |
18GS0318
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 裕一郎 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (50183447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 泰 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (40091251)
沈 建仁 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (60261161)
坂本 亘 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (20222002)
皆川 純 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (80280725)
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Keywords | 光合成 / 光化学系 / アンテナ / ダイナミクス / 結晶化 / 分子集合 / 分解 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
光化学系1は数多くのサブユニットとコファクターから構成される超分子複合体を形成するが、これらの構成成分が機能的な複合体へ分子集合する過程の解明は遅れている。本研究ではこの分子集合過程に関与する葉緑体遺伝子にコードされたYcf4タンパクの機能を緑藻クラミドモナスを用いて葉緑体遺伝子工学と生化学の手法で解析した。その結果、Ycf4は、(1)光化学系1複合体の分子集合の初期過程に関与する、(2)分子集合装置の中心部分を形成する大きな複合体の成分である、ことを示す結果が得られた。さらに、光化学系1複合体の分子集合中間体と考えられるsubcomplexesを同定することに成功し、分子集合過程の一部を明らかにした。 光化学系1複合体は集光性クロロフィルa/bタンパクLHCIと超分子複合体を形成する。緑藻クラミドモナスの場合、LHCIの構造が安定であり、高等植物より大きなアンテナを持つ。この構造を詳細に理解するため、高純度にかつ大量に超分子複合体を精製する方法を開発し、得られた標品の結晶化を試みた。現在までに11オングストローム程度の解像度のX線回折像を得ることができた。 光化学系1複合体は光条件変化に対応してアンテナのサイズを変化させ、光を効率よく利用する分子機構を有する。この機構の詳細を明らかにするため、アンテナ複合体CP29のアポタンパクをコードする遺伝子の発現をknock-downするRNAi株を作成し、アンテナサイズの調節機構にCP29が重要な役割を果たしていることを初めて明らかにした。 光エネルギー変換装置のダイナミクスは、分解の分子機構の解明も必要である。そこで葉緑体に局在するFtsHと呼ばれる金属プロテアーゼの解析を進め、(1)FtsHが大きな複合体を形成する、(2)光阻害を受けた光化学系2タンパクの分解に関与する、ことを示す結果を生化学、分子遺伝学的手法により得た。
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[Journal Article] Chemically induced expression of rice OSB2 under the control of the OsPR1.1 promoter confers increased anthocyanin accumulation in transgenic rice.2007
Author(s)
Kawahigashi, H., Hirose, S., Iwai, T., Ohashi Y., Sakamoto, W., Maekawa, M., Ohkawa, Y.
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Journal Title
J.Agr.Food Chem (In press)
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