2010 Fiscal Year Annual Research Report
物理科学を基盤とする人工細胞モデルの構築と機能解析
Project/Area Number |
18GS0421
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉川 研一 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80110823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今中 忠行 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30029219)
秋吉 一成 京都大学, 工学研究科, 教授 (90201285)
野村 慎一郎 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50372446)
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Keywords | リポソーム / 人工細胞モデル / 物性基礎論 / 生物物理 / 化学物理 / 自己組織化 |
Research Abstract |
生命の時空間の自己組織化という謎に迫るために、統計物理・非平衡物理・非線形科学などの物理科学方法論や手法を発展的に適用しながら、エネルギーや物質の流れのなかでの自律的システムとして生命を捉えることを目的とする。本研究においては、モデル細胞の非平衡条件下での振る舞いを明らかにすることを通して、生命現象の本質に迫る。具体的には次の3つの視点から研究を進めてきた。1)DNAの高次構造転移による遺伝子群の活性のon/offスイッチングを実空間上の実験を通して実証し、細胞内での自律的な遺伝子制御のメカニズムの解明を目指す。2)リン脂質多重層から自発的に細胞サイズの小胞が生成する機構を明らかにするとともに、小胞内での転写・発現反応の加速のメカニズムを解明する。3)長鎖DNAの高次構造転移と生化学反応のネットワークからなる、生命現象の階層的システムとしての特質を究明する。その結果、予期した以上の成果が得られた。成果の一部を以下に紹介したい。 核内空間に閉じ込めた高分子がセミフレキシブルな場合、フレキシブルよりも凝縮転移が亢進される事を発見した。DNAの核内構造の解明に寄与すると期待される。 細胞サイズリポソームや液滴の中でのアクチン繊維の高次構造形成や、膜タンパク質の膜への埋め込みを行い、その構造や機能を同定した。より生命に近い人工細胞モデルの創生に寄与するものである。 巨大なメガ塩基対のDNA分子を対象に、DNAの折り畳み転移の特性についての解析を進め、ゲノムDNAの抽出・一分子計測に成功し、その折り畳み転移特性について、他の研究手法では得られない新たな知見を得ることができた。遺伝子および遺伝子群活性の自己制御モデルの発展に寄与するものと期待される。
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Research Products
(118 results)
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[Journal Article] Nanogel antigenic protein-delivery system for adjuvant-free intranasal vaccines2010
Author(s)
T.Nochi, Y.Yuki, H.Takahashi, S.Sawada, M.Mejima, T.Kohda, N.Harada, I.G.Kong, A.Sato, N.Kataoka, D.Tokuhara, S.Kurokawa, Y.Takahashi, H.Tsukada, S.Kozaki, K.Akiyoshi, H.Kiyono
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Journal Title
Nature Materials
Volume: 9
Pages: 572-578
Peer Reviewed
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