2018 Fiscal Year Annual Research Report
飛躍的歩行リハビリ効果が期待できるころがり接地機構を有する4点杖の開発
Project/Area Number |
18H00254
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
藤重 誠 宇部工業高等専門学校, 技術室, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | リハビリ / 歩行補助 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】脳卒中の後遺症による片麻痺や、骨折などの外傷により片手しか使えない身体状況下の患者が行う歩行リハビリは、両手が使える患者と比べて手の支えが少ない分、練習は困難なものとなる。本件では、既存の歩行補助具である一本杖や4点杖のように片手で使用でき、歩行車のように安全かつ安定した歩行ができる、歩行補助具(新型4点杖)の開発を目的とした。 【研究方法】1)被験者の体格調査2)荷重測定システムの構築3)荷重測定システムの動作試験及び被験者による歩行荷重測定4)新型4点杖の製作5)新型4点杖による歩行試験及び評価6)既存の4点杖と新型4点との比較及び検証 【研究成果】荷重測定システムを構築し、歩行動作時の杖脚部にかかる荷重を明らかにした。リハビリ病院の患者3名(男性1名・女性2名、いずれも80歳以上)を被験者とし、既存の4点杖と比較した歩行テストを行い、快適歩行速度(1.16~2.3倍)及び最速歩行速度(1.17~1.56倍)ともに、新型4点杖使用による歩行速度の向上が図れた。さらに1.5~2倍の歩行距離の延長もみられ、ころがり接地機構の有用性が実証された。ブレーキ部は、階段の踏みしろ30cm・高さ15cmの段差においては問題なくブレーキが作動し、昇降可能であった。既存の杖のように持ち上げることがなく常に地面に接地しているため、安定性があり、杖を振り出すという作業がないため、患者自身の歩行のみに集中してリハビリを行うことができる。安定性の向上は、歩行時の転倒リスクを軽減させ、介助を行うリハビリスタッフの疲労と負担の軽減にも間接的に繋がった。また、既存の歩行器から杖に移行できない患者に新型4点杖を使用したことで、下肢の筋力の強化が図れ、杖歩行に移行できた事例もあった。新型4点杖を使用することで、歩行速度の向上、歩行距離の延長が図れ、患者のモチベーションアップに繋がったことが何よりの成果であった。現在、在宅復帰に向けた使用試験を開始している。
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Research Products
(1 results)