2018 Fiscal Year Annual Research Report
時期特異的・組織特異的ゲノム編集のためのトランスジェニックゼブラフィッシュの作製
Project/Area Number |
18H00329
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
坂 季美子 国立遺伝学研究所, 技術課, 技術職員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | Ga14-UASシステム / Tet-Onシステム / CRISPR/Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】ゼブラフィッシュにおいてCRISPR/Cas9法はゲノム編集を行うための重要な技術である。しかしながら受精卵にCas9とgRNAを微量注入する従来の方法では生殖細胞系列においてゲノム編集が行われるため、特定の組織や細胞における遺伝子の役割を解明することは困難であった。この問題を解決するため、平成29年度に当補助金の支援を受け、Gal4-UASシステムを利用した組織特異的ゲノム編集のためのトランスジェニック(Tg)フィッシュを作製した。これを更に発展させ、本研究では組織特異的かつ時期特異的なゲノム編集を可能にするTgフィッシュを作製する。 【研究方法】ドキシサイクリン(Dox)の投与により目的遺伝子の発現を誘導することができるTet-OnシステムとGal4-UASシステムを組み合わせたTRE-Cas9-GFP, UAS : Tet-On TgフィッシュをTol2トランスジェネシス法で作製した。この魚を卵細胞でGal4を発現する系統と掛け合わせ、二重Tgフィッシュを得た。 【研究成果】二重Tgフィッシュの雌をDox存在下で14日間飼育後、野生型の雄と掛け合わせて得た受精卵にアルビノ原因遺伝子slc45a2を標的とするgRNAを微量注入した。gRNA注入胚からゲノムDNAを抽出しヘテロ二本鎖移動度解析を行ったところ、標的配列への変異が検出された。また三日齢のgRNA注入胚において、黒色色素の部分的消失を確認した。一方、Dox非存在下で飼育した二重Tgフィッシュ雌由来の受精卵にslc45a2 gRNAを注入した場合は、標的配列への変異導入は認められなかった。今後はU6プロモーターの下流にgRNA配列を組み込んだTgフィッシュとTRE-Cas9-GFP, UAS : Tet-On Tgフィッシュ、Gal4系統を掛け合わせ、特定の組織におけるDox依存的な標的配列への変異導入を検証する。
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