2021 Fiscal Year Annual Research Report
Forcused Research on 18th Century Notarial Docments for the Construction of the Music and Theatre History of Naples
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18H00625
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山田 高誌 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (10580665)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 公証人 / ナポリ / 劇場 / オペラ / 喜劇 / 興行 / 18世紀 / イタリア音楽史 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍によって現地調査を2年以上遂行できず、予定していたアウトリーチイベントの中止など大幅な計画変更を余儀なくさせられたが、本研究期間最終期の2023年2月にようやくナポリでの発掘調査を実施することができた。その結果、それまでの遅れをある程度取り戻し、さらには総括できるような大きな収穫を得て、近い将来の国際的研究成果につなげることができた。 具体的には、本期間中に実施した複数回の現地調査によって、18世紀後半の民間劇場と最も関りのあった公証人がGaetano Manduca、Nunzinante Abbateの二人であったことを特定しながら、彼らの活動期間に残したすべての年度文書(Manduca: 1746-1779 計33冊; Abbate: 1756-89 計31冊)の調査を行った。なお、1冊あたり1,000~5,000ページ近い大部であることから、研究対象としている1766年以降の調査を優先的に行った。 結果、上記2人の最終活動年度までの記録の全巻全頁に目を通すことができ、同期間中の劇場契約はじめ、種々の関連文書、総計400点以上の世界初出となる劇場関連文書を発見することができた。 これら記録を通して、1770-80年代のフィオレンティーニ劇場が、複数の興行師が数年おきに経営を行うなどに不安定で、その経緯など詳細を時系列で明らかにすることができた。さらに、フィオレンティーニ劇場の観客名簿、年度会計文書や、1778年度Manduca史料中のフィオレンティーニ劇場の「劇場内部図」は、これまで全く知られてこなかった劇場と観客そのものを立体的に再構築する史料となり、19世紀後半から積み重ねられてきた「ナポリ劇場史」に大きく寄与することとなった。 さらにプーリア、カラーブリア、シチリアとの音楽家、劇場関係者の「定期興行ルート」の同定も今後の研究の展開にとって重要な発見となっている。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)