2020 Fiscal Year Annual Research Report
舞踊の「芸術化」までの実証的検証:日仏伝統舞踊の性風俗からの分離
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18H00627
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安田 静 日本大学, 経済学部, 教授 (90339226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 大祐 群馬県立女子大学, 文学部, 准教授 (30513006)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 舞踊 / バレエ / 日本舞踊 / 性風俗 / 芸術化 / 舞台芸術 / パトロン / 商品化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年初頭より22年秋口まで、COVID-19の影響により海外渡航が禁止されていたため、2020年度の研究計画は翌々年の2022年度まで延長した。ただし、この間はリモートで国際学会に参加するなど、パンデミックに適応した形で研究成果の発表を継続した。 本研究の目的は、舞踊の「芸術化」と風俗からの分離について、いつごろ、どのような経緯で可能になったのかを明らかにすることである。 研究代表者の安田靜はパリ・オペラ座を分析対象とし、20世紀前半の当該劇場において、バレエ・マスターのリファールや、ディレクターのルーシェがどのような方策をもってバレエの「芸術化」に取り組み、それを実現したのか、具体的かつ貴重な現物資料を発掘しながら実証的に分析し、明らかにした。 研究分担者の武藤大祐は、2020年の学会発表「日本における伝統舞踊の近代化と芸術化(artification)」をもとにしながら、今日「日本舞踊」と呼ばれるものが、従来の歌舞伎や座敷芸とどのように異なっており、またその変容がどのように可能となったのかを分析した。近年の美学や芸術社会学で提起されている「芸術化」、すなわち従来は「芸術」とは見なされていなかった文化が「芸術」として扱われるようになる現象についての理論を参照しながら、「日本舞踊」を捉え直し、社会的制度や価値観の変容といった、これまで「日本舞踊」に関して検討されて来なかった側面に光を当てた。 なお、本研究の対象は日本及びフランスに限定されていたが、実際には同様の「芸術化」が欧州の各国でも同時期に進行していたと想定可能であることから、研究対象国を拡大した新研究課題を構想するに至った。この新課題は、安田を研究代表者として「上演文化に関する『芸術化』の国際比較研究:商品及び労働者としての演者を巡る諸問題 」[基盤研究(B)23H00594:2023-25年度]として、採択された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)