2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H00641
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
佐藤 賢一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (90323873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 隆二 熊本県立大学, 文学部, 准教授 (10637622)
橋本 雄太 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 助教 (10802712)
梅田 千尋 京都女子大学, 文学部, 准教授 (90596199)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日本科学史 / 和算史 / 天文学史 / 陰陽道史 / デジタルヒューマニティー |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の近世日本数理科学(和算・測量術・天文暦学)の歴史研究では各分野の個別研究が主体で、複数分野を横断的かつ総合的に研究する態勢が手薄であった。この状況を改善すべく、先行研究の無い未紹介の史料群の領野横断的共同研究を実践しつつ、文献史料の校合支援システムを開発するのが本研究の目的である。この支援システムによって研究者の史料論的・書誌学的作業に要する負担を軽減し、複数分野にまたがる研究への障壁を低くする。本研究ではこの支援システムを文献史料だけではなく図像史料(地図、星図)にも拡張し、一層の応用をはかる。さらに、校合した諸史料の作成者や地理的分布情報を利用することで、当時の数理科学関係者の人脈や数理科学的知識の普及の分析も行う。最終的には、文献校合という学説史的研究を社会史的研究と融合する研究モデルを提示する。
2018年度の実績としては、代表者・佐藤が日本数学会で口頭発表をした内容により和算家・関孝和(? - 1708)周辺の未知の人脈を新たな史料解釈によって発見したこと、論文(『電気通信大学紀要』)により、東京大学総合図書館所蔵の和算史料の構成分析を明示したことが挙げられる。研究分担者の梅田、平岡によりそれぞれ暦学、天文学史関係史料の紹介、報告がなされた。システム開発を担当する分担者の橋本は、上記3名の研究内容をベースとしたシステム開発に着手し、2019年度以降の研究に向けた基盤構築に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2018年度内に、研究進捗の確認を兼ねた研究打ち合わせを数回実施し、適宜、メンバー各自の成果報告と進捗の状況を把握した。7月には宮城県大崎市において現地調査を兼ねた研究集会を実施し、それぞれの研究の最新情報を共有し、最終年度までの実践計画の詳細を詰めた。
2018年度内にメンバーによる研究成果報告は、後述するように佐藤(論文1、国内学会招待講演1、国際会議報告1)、梅田(論文1、口頭発表1)、平岡(論文5、口頭発表3)となり、初年度としては十分以上成果をあげている。
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Strategy for Future Research Activity |
・研究体制の確認と研究推進に向けた計画詳細の策定を行う(4月:全メンバー) ・東北大学附属図書館、日本学士院、天理図書館、東京大学総合図書館、彦根市立図書館、他での史料調査を実施する(6月~2020年2月:和算史料担当・佐藤/天文暦学史料担当・平岡/陰陽道史料担当・梅田/研究協力者・阿部大地、太田由佳、福田舞子も随時、調査に参加) ・写本史料の校合支援システムの開発に向けて、支援すべき校合作業の確認と設計仕様の検討を行う(5月~2020年2月:佐藤・橋本) ・1年間の研究成果の整理と成果発信に向けた準備を2019年度末に実施する(2019年3月:全メンバー)
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Research Products
(13 results)