2019 Fiscal Year Annual Research Report
近世において文庫を創設・形成した大名に関する総合的研究
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18H00647
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
前田 雅之 明星大学, 人文学部, 教授 (00209389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 華子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (10609605)
小助川 元太 愛媛大学, 教育学部, 教授 (30353311)
渡辺 麻里子 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (30431430)
岡崎 真紀子 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (30515408)
松本 大 奈良大学, 文学部, 講師 (30757018)
福田 安典 日本女子大学, 文学部, 教授 (40243141)
山本 啓介 青山学院大学, 文学部, 准教授 (50601837)
志立 正知 秋田大学, 本部, 理事 (70248722)
松本 麻子 医療創生大学, 教養学部, 教授 (70708990)
渡瀬 淳子 北九州市立大学, 文学部, 准教授 (90708637)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大名文庫 / 古典 / 古典的書物 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年5月18日、明星大学において、研究代表者(前田)・分担者・協力者が集合し、研究集会を催し、昨年度の調査実績および今年の調査目標・予定を報告して、2019年度の科研研究がスタートした。その時に、昨年度の欠席者に対してアップロードの手続きや方法などについて再度行った。 代表者以下分担者は自己の対象である大名文庫(島原松平家、仙台伊達家、上田真田家、弘前津軽家、宇和島伊達家、秋田佐竹家など)を実際に調査し、書物の書誌データを取り(統一基準による)、形態(書物の大きさ、紙質、表紙の色文様、見返し、印記など)等を撮影し、両者のデータをグーグルクラウドにアップロードすることになっているが、昨年度もかなりのデータがアップロードされた。 たとえば、代表者は分担者・協力者とともに、19年8月と20年3月に島原市の肥前島原松平文庫における文庫創設大名である松平忠房蒐集書物類の悉皆調査を行い、二回の調査で計140点の書物調査を終え、グーグルクラウドにアップロードしている。 分担者等のアップロード数は着実に増えており、大名文庫間における共通性(書物の内容・書物の形態=大きさ・紙質・表紙の色・題簽・見返し・印記)や差異性(大名の関心の違いなどに基づくか)が明らかになりつつある。 あと二年の調査で、大名間における知のありようと近世における古典および古典的書物のありよう、さらにに言えば、近世における古典なるものの存在形態がかなりの程度明らかになるだろうと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむねと記したのは、分担者によっては、所属の異動などにより、調査などが予定通りに進まなかったケースが一二例があるからである。それ以外は、各自の予算額に応じた調査を積極的に行い、調査データ(書誌・撮影資料)は逐次グーグルクラウドにアップロードされている。
分担者が10人(協力者を加えると11人)おり、各自、自己の対象となる大名文庫に個別に調査をしていることに加えて、大名文庫の蔵書数・規模の違いもあって、進捗に差が出てくるのはある程度やむを得ないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度で研究期間の半分を終えたが、次年度(20年)、最終年度(21年)に向けて、可能な限り、大名文庫の調査を継続したい。
そして、大名文庫間における書物知の共通性・差異性などが一覧できるデータベースを構築し、近世における古典にありよう、就中、どうして近世において古典がかくも愛好されたかの理由に迫りたい。
まずは、データ収集し大名文庫間の相互比較ができる環境をよりよくすることが目標である。
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Research Products
(3 results)