2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Detailed Study of the Japanese Old Manuscripts of Chinese Books in Order to Promote International Dissemination of the Information.
Project/Area Number |
18H00649
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
道坂 昭廣 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (20209795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玄 幸子 関西大学, 外国語学部, 教授 (00282963)
安岡 孝一 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (20230211)
高田 時雄 関西大学, 東西学術研究所, 委嘱研究員 (60150249)
高橋 智 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (80216720)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日本古写本 / 写本学 / 中国典籍 / 敦煌遺書 / 影印 |
Outline of Annual Research Achievements |
科研費交付決定の後、7月28日科研メンバー全員で第一回打ち合わせを開催(於京都大学)し、今後の具体的な研究計画について協議をおこなった。8月23日、科研メンバー4名が関西大学に赴き第二回打ち合わせを行い、主に古写本データベースのブラッシュアップについて検討した。また同大学図書館内藤文庫に保存される古写本写真について調査を行い、これらの写真が影印書作成前段階の資料であり、その幾つかは影印本に見られる破損が少ない貴重なものであることを確認した。2月21日東京国立博物館において第三回打ち合わせを行い、東京及び近郊地域の図書館博物館の古写本所蔵に関する情報交換を行った。3月6・7日大東急記念文庫において所蔵古写本13点を調査した。ただ希望した所蔵資料の幾つかは、記念文庫の展示会準備のため調査できなかった。以上は科研メンバーが共同して行った調査活動である。この他、メンバー個別に、国会図書館、中国の大連市図書館、北京の中国国家図書館などに赴き、古写本及び関連資料の調査を行った。 研究成果については、データベースの拡充のための資料収集と、ブラッシュアップが、メンバー共同の成果である。メンバーはそれぞれ、国内外の学術誌への投稿や国際学会での発表を行った。また現在中国でも日本に伝わる中国古典籍に対する関心が高まっており、研究もすすめられている。そのうち天津師範大学を中心とする関連プロジェクトとの情報交換、研究協力についても協議をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画初年度であった2018年は、今後の活動の基礎となる調査方針、所蔵調査機関についての情報交換を行った。7月の第一回打ち合わせ会議の結果、調査対象となる公設私設機関を選択した。本計画では調査の重点を国会図書館所蔵古写本とするが、所蔵点数が多い為、資料のまず資料の洗い出しを行うこととし、現在作成中である。また私立・寺社所蔵の古写本について調査を行っている。このうち大東急記念文庫の調査を行い、あわせて他の機関についても閲覧の可否について科研分担者、科研協力研究者とともに、交渉を行っており、幾つか施設については調査許可を得ることができた。これについては、科研メンバー全員或いは個別に、順次校務の合間に調査に赴く予定となっている。 第一回合同調査として、関西大学に赴き、内藤文庫の古写本等の写真資料を閲覧した。その結果、これらの写真は古写本資料として高い価値を有するものであることが確認できたので、本科研の当初の計画には無かったが、追加の課題として継続して調査を行うこととなった。本調査は関西大学に所属する科研メンバーを中心に、その他の写真資料の発見、及び、既調査写真について、何時どのような目的で、誰によって撮影されたのか、その影印や復刻の有無などについて、メンバー全員で検討を行っている。 この他、科研メンバーはそれぞれの専門との関係の強い分野の古写本について調査を行っている。また、国内、中国などで開催された国際学会に参加し、成果を発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
本科研の大きな目的の一つである古写本の調査は、所蔵の多い国会図書館を中心とする。これまでの調査の経験から、調査にかなりの時間がかかることが予想されるため、調査候補となる古写本のリストを作成し、閲覧の優先順位を決定し、調査の効率化を図ることとした。当初の数回は科研メンバー全員で調査を行うが、その後はメンバーそれぞれの専門や関心に従って、個別に調査を行う。これは科研メンバーそれぞれ校務が多忙であり、全員が揃って調査に赴く時間を見つけることが困難であるからである。私立図書館・美術館や寺社所蔵古写本については、公設機関に比べると所蔵情報や閲覧方法がそれぞれ異なるため、閲覧の許可が得られた機関から順に、調査に赴き、必要に応じて追加の調査を行う。これも所蔵機関の許可が優先されるため、科研メンバーが個別或いは数名で赴くことになる。 本科研のメンバーは、積極的に中国・台湾などの国際学会に参加している。その機会に国内外の研究者より、本科研の課題と同じような関心を持っている研究者の存在や、国外で本科研と関連する研究課題が計画されているといった情報を得ることがあった。例えば天津師範大学の王曉平教授らが中国で行っている研究項目は、本科研課題とも重なるところがあり、シンポジウムなどの方法で知見の共有の可能性を検討している。これを含め国外研究者との連携の可能性を探ってゆく方針である。なお、古写本データベースについては、逐次資料情報の追加とブラッシュアップを行う。
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Research Products
(24 results)
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[Book] 中華書局2018
Author(s)
高田時雄
Total Pages
405
Publisher
近代中國的學術與蔵書
ISBN
9787101130546