2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H00652
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
諏訪部 浩一 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (60376845)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 和彦 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (10205594)
阿部 公彦 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (30242077)
中嶋 英樹 多摩美術大学, 美術学部, 准教授 (70792422)
木村 明日香 中央大学, 文学部, 准教授 (70807130)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 認知詩学 / 小説知 / ジャンル論 / 物語論 |
Outline of Annual Research Achievements |
このプロジェクトは、「小説知」というコンセプトから始まっている。「物語」からは区別され、「近代」に特有と考えらえる「小説」という文学形式に由来する、近代人に特有の世界との関わり方があるのではないかという仮説のもと、人間が世界をいかに認識するかを文学研究の立場から検討する認知詩学・認知物語論の研究成果をさらに押し進めることが目的である。 2022年度(令和4年度)には、プロジェクト始動から収集された物語論文献や個別作家研究の資料をもとに事例分析の締めくくりとして、代表者・分担者ごとの論考の発表に注力した。 研究代表者である諏訪部は、戦後アメリカ小説をジャンル小説という切り口から継続的に論じ、その成果を単著『薄れゆく境界線――現代アメリカ小説探訪』として発表した。戦後文学という共時性だけではなく、各ジャンルの通時性にも十分な意識を払った論考であり、研究分担者達の研究にも接続可能となる包括的・立体的なアプローチがとられている。そのような大きな文脈を意識しつつ、分担者中嶋は日本英文学会関東支部第22回大会にて、シンポジウム「亡霊文学を見つめ直す」を企画した。担当の研究発表では、幽霊譚のとあるパターン(死の間際に親しい人のもとに亡霊が訪れる)を取り上げ、これを19世紀末の英国での心霊研究という歴史的文脈に位置づけ、当時の幽霊物語ジャンルが、本プロジェクトのサブテーマの一つである「親密性」を示すための装置となっていることを論じた。さらに、分担者阿部が雑誌連載にて論じている「注意という規範」というコンセプトは、その規範性から逸れることも含めた意味で小説が「注意」という認知能力と深い関係があることを示していると言えよう。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(17 results)